03-6258-5203

事業譲渡例63|塾への挑戦 ノウハウの継承

2025年9月8日
譲渡例(今までのケース)

セカチャレは、学習塾専門の株式、持分、事業売却のサポートサービスとして、今まで300件以上の学習塾売却に携わってきました。

学習塾経営者様の方には「株式売却、持分売却、事業売却は大規模な企業の話、自分には関係のないことだろう。」と考えている方も多くいらっしゃいます。

しかし、

・学習塾を閉校したいが、生徒や講師のことを考えるとやめられない

・体調面に不安があるが、引き継ぎ手がいない

・別の事業に集中したい

という方にとっても、株式売却・持分譲渡・事業売却は1つの選択肢となります。売却をすることがどのようなことなのか、それにより得られるものは何なのか、当ブログでご紹介します。

学習塾事業概要

■教室所在地
千葉県北西部

■指導形態
個別指導

■生徒数
0~10名

■売上高
約370万円

■営業利益
赤字

■譲渡金額
0円

■案件ページ

【至急/開校15年以上/住宅地】千葉県北西部の個別指導塾の事業譲渡

1.譲渡の背景

千葉県北西部で15年以上にわたり、個人経営で運営されてきた個別指導塾。生徒数は0~10名規模と決して大規模ではないものの、売り手様ご自身と奥様、そしてアルバイト講師による丁寧な個別指導に定評がありました。地域に根差した指導スタイルを貫き、これまで数多くの生徒と保護者の信頼を積み重ねてきた塾です。

そんな中、オーナー様がふと感じたのは、「もっと家族との時間を大切にしたい」という気持ちでした。体調や業績などに大きな問題はなかったものの、ライフステージの変化とともに「このタイミングで、塾を誰かに譲ってもいいのではないか」という考えが芽生えました。

閉校という選択肢も視野にありましたが、長年積み重ねてきた指導ノウハウを絶やすのはもったいない。そんな想いから、弊社セカチャレにご相談いただいたのが、本件の始まりです。

2.譲受企業との出会い

一方、譲受側は今回の買収を機に新たに法人を設立された、新規参入の経営者様です。元々教育業界に強い関心をお持ちで、「いきなりゼロから塾を立ち上げるのではなく、既に形がある塾を引き継ぐことで、地に足のついた事業運営を始めたい」という意向がありました。

マッチング後の面談では、売り手様の指導への熱意や、これまでに培われた細やかなノウハウを深く理解されたご様子で、「この方なら任せられる」とオーナー様も納得されていたのが印象的でした。

3.交渉の流れと成約の決め手

募集開始から1ヶ月で基本合意に至り、さらにそこから1ヶ月後には正式な譲渡契約を締結。全体を通してスピーディでスムーズな成約となりました。

譲渡価格は0円。今回のM&Aは“価格”よりも“想いの継承”を重視したものであり、弊社としても、教育業界ならではの丁寧な調整を意識しました。

デューデリジェンス(買収監査)では、入出金データを元に事業実態の有無を確認し、不安要素を一つずつ丁寧にクリアしていきました。従業員の雇用継続はないものの、オーナー様からの引き継ぎを通じて、今後の運営に必要なノウハウは確実に継承されるよう配慮しました。

最終的な決め手となったのは、譲受希望者が売り手様の築いてきた教育方針を大切にしながら、自らも積極的に学ぼうとする姿勢でした。「ノウハウを次につなぎたい」という売り手様の願いと、「誠実に学び、運営していきたい」という買い手様の想いが合致したことで、双方が納得のいくかたちで成約に至りました。

4.譲渡後の変化と今後の展望

譲渡後、売り手様は完全に退任。一方で、教室名は変更せず、既存のスタイルを大切にしながら新たなスタートを切られました。

譲受側の方は、今後さらに指導スキルを磨きつつ、塾経営に必要なノウハウを蓄積しながら、地域に根差した運営を目指されています。今回のM&Aは、まさに「想いと技術のバトンリレー」といえるような事例となりました。

5.担当者より

本件は、規模としては小さな個人塾の譲渡でしたが、その分“想いの継承”が何よりも重要なテーマでした。

譲受希望者がM&A初挑戦ということもあり、我々としては必要な準備や注意点を一つひとつ丁寧にお伝えし、双方が安心して進められるよう全力でサポートしました。

特に印象的だったのは、売り手様が「この塾を誰に譲るか」を本当に真剣に考えていらっしゃったこと。決して規模や条件だけで決めるのではなく、人柄や姿勢を見てご判断されたことが、成功の鍵だったと思います。

セカチャレでは、今後もこうした“想いの橋渡し”を丁寧に支援してまいります。