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事業譲渡例33|幼児・小学生向けインターナショナルスクール事業の譲渡

2023年5月12日
譲渡例(今までのケース)

こんにちは!「学習塾売却のセカチャレ」を運営する株式会社インフィニティライフの高木です。


セカチャレは、学習塾専門の株式、持分、事業売却のサポートサービスとして、今まで150件以上の学習塾売却に携わってきました。

学習塾経営者様の方には「株式売却、持分売却、事業売却は大規模な企業の話、自分には関係のないことだろう。」と考えている方も多くいらっしゃいます。

しかし、

・学習塾を閉校したいが、生徒や講師のことを考えるとやめられない

・体調面に不安があるが、引き継ぎ手がいない

・別の事業に集中したい

という方にとっても、株式売却・持分譲渡・事業売却は1つの選択肢となります。売却をすることがどのようなことなのか、それにより得られるものは何なのか、当ブログでご紹介します。


今回は、つい先日お話がまとまった神奈川県の幼児向けインターナショナルスクール事業の事業譲渡をご紹介します。


近年、小さい子ども向けだけでなく、大人向けの英語教育、英会話スクール事業がとても増えているように感じます。

ただの英語塾ではなく、実際にネイティブの講師とやりとりができ、生の英語に触れることができるインターナショナルスクール事業は、特に人気の習い事の1つになっているのではないでしょうか。

学習塾事業概要

●教室所在地
神奈川県

●指導形態
少人数制の集団指導

●生徒数
70〜90名程度

●売上高
約2,000万円

●営業利益
0円〜200万円

●譲渡金額
約900万円

●案件ページ

【黒字/教育熱高い地域】幼児向けインターナショナル・プリスクール事業

事業譲渡を決めたきっかけ

実は2度目の検討

この売り手様から連絡をいただいたのは2022年から2023年に年が明けてから1週間ほど経ったときのことでした。

話を聞くと、何年か前に一度事業譲渡を検討して、その際にほぼまとまりそうなところまで話が進んだものの最後の最後に頓挫してしまい、ご自身で引き続き継続をしていたそうです。


ご自身が興味のある事業が別であり、インターナショナルスクール自体を自走させることはある程度可能な状態ではあったものの、手放したうえで、興味のある別事業に腰を据えてやっていきたいとのことで、ご連絡をいただきました。また、この事業を売却することで、その事業の資金に充てることも考えておりました。


当初は弊社にお任せいただくことを決められていたわけではなく、条件面などの話を聞いた上で最終的に依頼をするか決めたい、ということでした。


このように「今すぐ譲渡!」と決めていなくても、お問い合わせをいただくことも増えてきました

・譲渡金がいくらくらいになるのか知りたい
・そもそも譲渡ができるのかどうか知りたい
・譲渡することでどのようなメリット、デメリットがあるのか知りたい

どのような状況であれ、選択肢の1つとして可能性があるようでしたら、お気軽にお問い合わせください。

条件のすり合わせ

秘密保持契約を結んだ上で必要資料を提供していただき、面談を経ておおよその譲渡金額の目線も決まり、本格的に弊社にお任せいただくことになりました。

3ヶ月程度を目安に候補者を募り、その間に目星がつかなければそれ以降は再考するということだったので、スピード面も重要視しながら、募集を進める必要がありました。


このスクールは、開校から10年以上が経過しており、近年も安定して生徒人数を集めることができている事業でした。

さらに、先述した通り自走させることも可能であったため、譲渡案件として優秀な要素を兼ね備えていました。

実際にこの売り手様も何年か海外に行く必要があった期間は、スタッフの方にお任せし、問題なく運営ができていたということで、実績もあり、その点も評価される要素であると感じました。


以前、お話がまとまりそうになった際に設定していた譲渡金額が1,000万円強であったことから、その程度の金額帯に希望金額を設定して、募集をスタートさせました。

募集開始〜基本合意

大きな反響

予想通り、募集を開始してからの反響はとても大きかったです。のべ40〜50者ほどの候補者の方が興味を持ってくださり、最初の検討段階に入ってくださいました。


これはどの案件にも言えますが、どのような要素を皆さんが検討されているかと言えば、
・立地
・経営状況(収支面の安定)
・自走可否
・譲渡金額との兼ね合い
このあたりが検討において重要なポイントであるような気がします。


立地に関してはすでに事業を開始している以上、今から変更の余地はかなり少ないですが、それ以外の部分は、譲渡を考える場合、今後意識しておきたい部分かもしれません。

それでも話が進むのは一握り

多くの反響があったのですが、本格的にお話を進めてくださる候補者の方は、そこまで多くありませんでした。

先述した要素の中の、「譲渡金額との兼ね合い」の部分に関わることですが、譲渡金額そのものが1,000万円程度と決して安価ではないということで、慎重に検討をされていた方が多かったかもしれません。

特に、個人で会社勤めをされている中で独立を考えている方などにとっては、最初の事業に対しての投資額として、少し高く感じた部分があるかもしれません。

以前から同様の事業を検討していた候補者様

その中で、具体的にお話を進めてくださったのは、以前別の案件をご検討くださっていた候補者の方でした。個人の方で、今まで教育事業に携わったことはないものの、以前から探されていたようです。


同じく高木が担当していたインターナショナルスクールの案件で初めにご縁をいただき、その際はお話進むことはなかったのですが、やはり同じような事業をずっとやりたいと思っており、この案件をご案内をしたときも、とても興味をもってくださいました。


すぐに売り手様との面談をセッティングし、はじめはオンラインで、続いて現地にて教室見学も兼ねて、二度打ち合わせを行いました。

面談では、売り手様に状況説明をいただきながら、候補者様が気になった部分を質問し、それに対して改めて回答する、というやりとりが行われ、候補者の方に事業の理解を深めていただきました。

基本合意締結

現地面談の2,3日後、候補者様と私が面談をした際に「とても良い教室だった、ぜひ話を進めたい」というお話をいただき、売り手様もこの候補者様とお話進めることに関して快く思ってくださったようで、基本合意締結をする運びとなりました。


最初のオンラインでのトップ面談から、基本合意締結まで約2週間と、とてもスピーディーにお話進むことができました。買い手様の意思決定が早かったことももちろんですが、候補者様からのご質問やご要望に対して、売り手様にも迅速丁寧に対応していただき、双方のスピード感が速かったことが、理由の1つになったことは間違いありません。


DD〜事業譲渡契約

デューデリジェンス(DD)

今回のDDは、テキストベースがメインで行われました。候補者様から書類や情報の提出要望をいただき、それに対して売り手様に対応いただく、というラリーが何度か行われ、その中で候補者様にリスクの洗い出しや、今後の見通しをたてていだたく、という流れでした。


DDには大きく4つの要素があり、

・法務DD
・税務DD
・財務DD
・ビジネスDD

と、それぞれの視点から事業のリスク、今後の見通しを調査します。


今回は事業譲渡ということもあり、税務に関して大きな要素はありませんでしたが、他3項目について詳細な質問があり、それに対して売り手様に回答いただくことがほとんどでした。


学習塾においては、例えば法務DDの場合、講師との雇用契約書や家庭との入会申込書、フランチャイズ契約書などの契約関係をチェックするなど、学習塾特有のDD要素があります。


そうした書類や情報面の調査のほかに、実際に授業をしているところに候補者様が見学に伺うこともありました。譲渡先の候補であることや、そもそも譲渡を検討していることなどは一切口外していないため、見学などには気を使う必要があります。


そこで改めて「この事業が良いものである」と思っていただき、最終合意に向けて進めていただくこととなりました。

譲渡契約

DDの結果、交渉中断となるような要素もなく、譲渡契約に向けて動くことになりました。


一方で、やはりこの事業は、現在運営に携わっているスタッフの方の力が大きいと候補者様が感じており、譲渡のタイミングでこの方々が抜けてしまうことをかなりのリスクとして考えておりました。


事業譲渡の場合、雇用契約関係等は基本的に引き継ぎ対象になりません。よって、買い手は改めて従業員の方々と雇用契約を締結する必要があります。

しかしながら、必ずしもその従業員の方全員が、雇用契約を締結するとは限りません。万が一、大部分の方がやめてしまった際のことを、とても懸念しておりました。


また、例年に比べて4月時点での生徒数が少し減少していることもあり、投資回収の期間も少し伸びてしまう可能性がありました。

学習塾業界では、春の生徒数は年間収支に大きく影響します。1年間継続して通う生徒が多いため、どの学習塾も春の集客には力を入れています。


上記のリスクを鑑みて、買い手様から、譲渡契約にキーマン条項のような内容を付随することや、譲渡金に関する交渉も入りましたが、双方合意のもとで話がまとまり、無事に譲渡契約の締結が完了しました。


弊社にお任せいただいてから譲渡契約まで3ヶ月強の時間を要してしまいましたが、現在は買い手様も積極的に教室にお越しいただき、引き継ぎを行なっています。

売り手様もとても協力的に引き継ぎを行なっていただいており、今後より発展していく教室が楽しみです。


終わりに

本件も、売り手様、買い手様がとても協力的で、マッチングから譲渡までをとてもスムーズに進めることができました。情報共有なども細かく、売り手様が日々丁寧に管理、運営をしてきたということがよくわかりました。


今回の買い手様は、以前も同様の案件をご検討いただいていたことで、この案件をご紹介したときに再度ご検討をいただくことができました。

このように、セカチャレでは「学習塾やスクールの事業を買収したい」と考えている候補者の方とのネットワークがあります。


「うちの塾は売却ができるのかな?」

「興味を持ってくれる候補者はいるのかな?」

と少しでも気になっている学習塾の経営者様、是非ともお気軽にお声がけください。


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