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事業譲渡例38|閉校予定だった10年続く個別指導塾の譲渡(愛知県)

2023年8月18日
譲渡例(今までのケース)

こんにちは!「学習塾売却のセカチャレ」を運営する株式会社インフィニティライフの高木です。


セカチャレは、学習塾専門の株式、持分、事業売却のサポートサービスとして、今まで150件以上の学習塾売却に携わってきました。

学習塾経営者様の方には「株式売却、持分売却、事業売却は大規模な企業の話、自分には関係のないことだろう。」と考えている方も多くいらっしゃいます。


しかし、

・学習塾を閉校したいが、生徒や講師のことを考えるとやめられない

・体調面に不安があるが、引き継ぎ手がいない

・別の事業に集中したい

という方にとっても、株式売却・持分譲渡・事業売却は1つの選択肢となります。売却をすることがどのようなことなのか、それにより得られるものは何なのか、当ブログでご紹介します。


今回は、愛知県の名古屋駅から公共交通機関で30分程度、名古屋市近郊にある小中規模の学習塾の事業譲渡をご紹介します。事業として10年以上、運営を続けてきた歴史のある学習塾を、なぜ譲渡することにしたのか。


その経緯も含めて、紹介していきます。

学習塾事業概要

●教室所在地
愛知県名古屋市近郊

●指導形態
個別指導

●生徒数
10〜20名程度

●売上高
約900万円

●営業利益
200万円〜400万円
※オーナーさま人件費除く

●譲渡金額
約50万円

●案件ページ

名古屋市郊外|生徒数15名程度の個別指導塾

事業譲渡を決めたきっかけ

年齢面や家庭環境を考慮


この売り手様から一番最初にご連絡をいただいたのは2022年の3月ごろで、最初はまだ本決まりではなく、情報収集のためにということでご連絡をいただき、譲渡をする際のプロセスやメリットデメリットを聞かれました。


そこから定期的にご連絡をいただき、今年の5月、いよいよ本格的に譲渡のお話を進めていくことになりました。
年齢面を考えて引退を考えていたところに、家庭環境の変化も併せて起きたことで、区切りをつけるために今年いっぱいで閉校をすることを決心したそうです。
しかしながら、歴史ある教室ゆえ、以前からお付き合いのあるご家庭や講師の方がいらっしゃり、閉校するにしてもその方々に対して申し訳がない、もし引き継いでくださる方がいるのであればそれがベストであり、譲渡をすることを選択肢の1つとして、今回私たちがお手伝いをすることとなりました。


特に個人で学習塾を経営している方は、ご自身が教室長として物理的に毎日拘束されるケースが多いです。そのため、年齢面で体力的に運営を継続することが難しくなったり、ご両親の介護で実家が少しでも離れたところにあると、自身が携わることのハードルが高くなります
こうした状況になったオーナーさまからのお問い合わせは最近とても多くなってきています。その状況になってから急ぎ対応することももちろん可能ではありますが、前もって準備を進めておいても良いかもしれません。


金額面はそこまで重要視しない


いずれにせよ閉校することは決心していたこと、それによってこの1年は特に集客や、積極的な営業活動を行っていなかったため、譲渡金に関しては特別こだわりがないということでした。


結果、今回は約50万円での譲渡が成立しましたが、売り手さまによってはより高い譲渡金を希望する方も多くいます。
結局のところ譲渡の実現可能性やスピード感は、この譲渡金とのバランスとなりますので、できるだけ早く決着をつけて安心したいという売り手さまのご意向に沿った設定、および結果を得ることができたのではないでしょうか。

募集開始〜基本合意

買い手さまの募集・候補者さまの反応


弊社では、お手伝いをする際に、案件毎に「事業概要書」を作成します。この事業概要書には学習塾の実態をまとめるのですが、その際に売り手さまからさまざま資料をいただきながら作成をします。

しかしながら、この売り手さまは、十何年と個人で運営をしてきたため、会計業務をご自身がわかる範囲で行なっていました。それゆえ売上や経費などを細かく記録しておらず、資料作成のために細かくヒアリングをしながら、可能な範囲で、できるだけ細かく状況をチェックして、概要書にまとめていきました。


概要書が完成してから、弊社では募集を開始します。スタートしてからは、場所が郊外ということもあり、首都圏や大都市ほどの反応はなかったものの、長年続いてきた個別指導塾ということで、何者かの募集がありました。


売り手さま含めてその候補者の方々と、まずはオンラインで面談をし、候補者さまによっては追加で必要な資料のご要望などをいただきながら、検討を進めていただきました。

みなさま、興味をもってくださった候補者の方々は真剣にご検討してくださり、各候補者さまそれぞれとじっくり腰を据えて、お話を詰めることができました。


候補者さまにお話を聞くと、過去は安定して30名から40名の生徒が集めることができていたこと、卒業生が講師としてきてくれることが多く、場所の割に講師募集がしやすいということがこの案件の良さとして挙げてくださいました。

最近は、首都圏でも講師採用が厳しいという学習塾経営者の方は多いです。その点、こちらの教室は採用コストがそこまでかからず、魅力と感じることができそうです。


現地での面談


お話を進めてくださっていた候補者さまの中でお一方、オンライン面談を経て、現地に伺って実際に現地を見たいという方がいらっしゃり、売り手さまにも都合をつけていただいて、現地面談を実施しました。


概要書やオンライン面談で、数字面などなんとなく塾のイメージはできるものの、実際に教室に行ってわかることはたくさんあります。

生徒や講師はいずとも、机や椅子の配置から実際の指導の様子をイメージすることもできますし、テナントをどのように有効活用するのかを検討したりと、現地に実際にお越しいただたことで、買い手さまにもより具体的に引き継いだ後のイメージをもっていただくことができました。


ご訪問いただいてから数日後、この候補者さまから「譲渡に向けて動いていきたい」とのお返事をいただき、譲渡完了に向けて基本合意を締結する運びとなりました。


この候補者さまは、同じ愛知県内で事業を営む法人さまで、学習塾の経営経験はないものの、教育事業に参入したいということで、今回買収のお話を進めてくださることになりました。

DD〜事業譲渡契約

デューディリジェンス(DD)


学習塾の事業譲渡の場合、ある程度の情報は先に出してしまっているので、DDでより細かく調べる必要がある内容は、そこまで多くありません。


今回は、買い手さまからご希望があった各生徒さまのコマ数や教科、授業料、担当講師や時間割など、運営に関わる細かい情報を共有することと、売上が実際に入金されているかどうかといった点を入金明細などのチェックが行われました。


そして、多くの学習塾の事業譲渡において、最も高いハードルとなるのが賃貸借契約です。


賃貸借契約は、一般的に譲渡契約のあとに大家さんもしくは管理会社との交渉が行われます。

※明確に譲渡を伝えないように、根回しを行うことはあります


事業譲渡の話が伝わってしまうと、そこからご家庭や講師に伝わってしまう可能性が0ではないからです。その場合、本意でないものが伝わってしまい、離脱が発生してしまうなどのリスクがあるからです。


一方で、今回は譲渡がされなければいずれにせよ閉校する予定であったこと、解約する場合には告知義務があったことから、先に大家さまにも伝えていたため、譲渡後の賃貸借の条件などは、譲渡契約前にチェックをすることができました。


譲渡前と同様の条件で借りることができるということが判明したため、買い手さまとしてもリスクなく、お話を進めることができました。

譲渡契約のあとに、あまりにも現行と条件面で大きな乖離がでてしまい、目論んでいた収支計画がいきなり崩れてしまう、という可能性は0ではありません。


それらの数字面の細かいチェック、譲渡後の条件面のチェックが完了し、無事に譲渡契約を締結することができました。引き継ぎ期間もきちんと取れるスケジュールに設定し、双方が今後のイメージをもって、お話をまとめることができました。



譲渡契約締結後


譲渡契約の締結が完了し、現在は引き継ぎ期間に入っています。


今の所特にトラブルなく進んでおり、ご家庭への案内や、アルバイトの方との雇用契約の手続きなどが進んでいます。事業譲渡の場合は、株式や持分の譲渡と異なり、各種契約関係を全て巻き直さなくてはいけません。


賃貸借契約の条件も事前にチェックすることができていたので、その折衝等特別必要なく、手続きを進めることができています。


買い手さまは学習塾の経営自体が初めてですが、他業種の知見を活かして、学習塾業界に新たな風を吹き込んでくれるはずです。これからこの学習塾がどのように広がっていくのか、とても楽しみにしています。


終わりに

実はこの記事を書いている間にも、「親御さまの介護が必要で学習塾を手放そうかと考えていた」という学習塾の経営者さまからご連絡をいただきました。やはりこうした経営者さまは今後増えていくのかもしれません。


もちろん、個人で引き継ぎ手を探すことも不可能ではありません。しかしながら、ある程度トラブルになり得るケースを想定し、先にリスクヘッジしておけるかどうかで、後々に大きな影響を与えます。特に、学習塾という特殊な業態をきちんと理解し、その業態にあった進め方をする必要があります。

セカチャレはその「トラブルが起きないようにするためには何が重要なのか」を理解しています。逆に言えば、「どのようなトラブルが起きやすいのか」を熟知しています。


その点で、「個人間で譲渡を検討しているけれども、トラブルが起きてしまわないか不安…」と思っている学習塾経営者の方のお手伝いは十分にできると自負しています。

利用は無料なので、コストもなく利用できるので、少しでも検討されている方はお気軽にご相談ください。


また、セカチャレには「学習塾やスクールの事業を買収したい」と考えている候補者の方とのネットワークがあります。

「うちの塾は売却ができるのかな?」

「興味を持ってくれる候補者はいるのかな?」

と少しでも気になっている学習塾の経営者様、是非ともお気軽にお声がけください。


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