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事業譲渡事例48|教育観の移り変わりと年齢面を考えて次の世代へ

2024年3月18日
譲渡例(今までのケース)

こんにちは!「学習塾売却のセカチャレ」を運営する株式会社インフィニティライフの高木です。


セカチャレは、学習塾専門の株式、持分、事業売却のサポートサービスとして、今まで300件以上の学習塾売却に携わってきました。

学習塾経営者様の方には「株式売却、持分売却、事業売却は大規模な企業の話、自分には関係のないことだろう。」と考えている方も多くいらっしゃいます。


しかし、

・学習塾を閉校したいが、生徒や講師のことを考えるとやめられない

・体調面に不安があるが、引き継ぎ手がいない

・別の事業に集中したい

という方にとっても、株式売却・持分譲渡・事業売却は1つの選択肢となります。売却をすることがどのようなことなのか、それにより得られるものは何なのか、当ブログでご紹介します。


今回は、東京都23区内で約10年、個人で学習塾を営んできた売り手さまのお話です。生徒数は集客を行わずとも例年30名程度集まっており、地域にも周知されている学習塾のお話です。


売り手さまはなぜ、この学習塾を売却するに至ったのか。その経緯も含めて、紹介していきます。


学習塾事業概要


■教室所在地
東京都23区内

■指導形態
小集団指導+個別指導

■生徒数
20名〜30名程度

■売上高
約750万円

■営業利益
0万円〜50万円
※売り手さま人件費を除く

■譲渡金額
税込66万円

■案件ページ

黒字・塾始めたい方向け|23区内の10年以上続く個別指導塾

事業譲渡を決めたきっかけ


自身と保護者の価値観にズレを感じ始めた


今回の売り手さまが本格的に譲渡を検討しはじめたのは、年が明けた1月の上旬でした。実は去年の早いタイミングで一度お問い合わせをいただき、そのときにご相談を受けてはいました。
しかし、なかなか決断に踏み切れずその後期間が空き、また年明けに改めてお問い合わせをいただき、弊社でサポートをする運びとなりました。


なぜ、この売り手さまは自身が長年続けてきた学習塾を譲渡しようと考えたのか。話を聞いてみると「時代が変わり、教育観がマッチしなくなっているのではないか」と感じている、ということでした。
以前であれば、少し厳しくても努力をし、結果を出すために努力させることを望む保護者さんが多い印象があったものの、最近は子どもの好きなように、やる気になったらやらせる程度を望まれる保護者さんが増え、それに対して自身のモチベーションを保つことが難しくなってしまった、と仰っていました。


また、年齢的にも引退を少しずつ考え始める段階でもあり、いくつかの要素が合わさって、譲渡に踏み切ろうと決断されたようです。


時代に合わせたサービス提供ができる方が理想


そのような理由から、引き継いでくださる方は、出来る限り若い方で、今の保護者、子ども世代のニーズにあったサービスを提供できる人が良いのではないか、と話をしていました。
もちろん、必ず若い方でないといけないというわけではないですが、どちらかと言えばそのような方が今後教室をより良くしてくれる気がしていたそうです。


金額等の条件に特別こだわりなどはなく、上記を念頭においたうえで、良い縁があればと仰っていただき、募集をスタートしました。


募集開始〜基本合意


買い手さまの募集・候補者さまの反応


弊社では、お手伝いをする際に、案件毎に「事業概要書」を作成します。この事業概要書には学習塾の実態をまとめるのですが、その際に売り手さまからさまざま資料をいただきながら作成をします。
今回の売り手さまは普段からきちんと収支管理を行なっており、資料をすぐに出していただくことができたため、スピーディーに資料作成をすることができました。


概要書が完成してすぐ、弊社では募集を開始するのでこの案件はご利用いただくことが決まってから募集まで、とてもスムーズに進みました。また、募集を開始してからの反応もそれなりに良く、譲渡を受けたいという方が多くおりました。

紹介のみで生徒数を最低限集めることができていたこともそうですが、この案件の魅力は家賃が比較的安い、ということでした。学習塾において、大きな支出項目は、家賃と人件費です。この家賃が低く抑えられれば、それだけリスクを排除して運営をすることができます。

23区内、最寄駅から徒歩10分程度の物件ですが、家賃は10万円を切り、広さもそこそこで教室内の什器も綺麗でその点を魅力に感じている方が多かったように感じます。


また、この地域は外国人の方も多く住んでおり、その方々にとって一般的な学習指導とは違うニーズが存在していました。そのニーズを汲み取り、年間10名弱が在籍していることも、追い風になっていたかもしれません。


何名かの候補者さまと情報交換をしながら、案件についての検討を進めていただきました。軽い検討段階の方に関しては最初にオンラインで面談を行い、その上でより前向きに検討を進めたいといただいた候補者さまと現地面談に進み、全部で4者ほど、面談を行いました。


現地での面談


今回、オンラインで面談をした方を含めて、全員が現地での面談も希望され、皆さまにお越しいただき、より具体的なお話をしていただくことができました。

概要書やオンライン面談で、数字面などなんとなく塾のイメージはできるものの、実際に教室に行ってわかることはたくさんあります。

生徒や講師はいずとも、机や椅子の配置から実際の指導の様子をイメージすることもできますし、テナントをどのように有効活用するのかを検討したりと、現地に実際にお越しいただたことで、買い手さまにもより具体的に引き継いだ後のイメージをもっていただくことができます。


4者ともに現地面談を経てご検討をいただく中で、特にその中の一人、個人でご検討くださっている方がかなり前向きに検討をしてくださっていました。
概要書を見た段階から「是非、譲渡を受けたい」と仰っており、それはオンライン面談、現地面談を経ても変わらず、売り手さまもその熱量に魅力を感じてくださっていました。


この候補者さまは、もともと公教育の現場で働いている方で、年齢面も30歳前後。最初に売り手さまがイメージしていた理想の引き継ぎ手像に近しい方で、お話がまとまるまでにあまり時間はかかりませんでした。


最後の候補者との面談が終わって2、3日が経ち、双方合意のうえで、基本合意を締結することになりました。


DD〜事業譲渡契約


譲渡契約の締結へ


学習塾の事業譲渡の場合、ある程度の情報は先に出してしまっているので、DDでより細かく調べる必要がある内容は、そこまで多くありません。


今回も同様に、基本合意締結のタイミングでおおよその資料を提出していたうえでの締結だったので、あまりこの期間で追加の資料等を出すことは多くありませんでした。


打ち合わせの際に、どのように生徒や講師にアナウンスをするのか、タイミングはいつにするか、ということや、学習塾の譲渡において一番の難所になる可能性の高い賃貸借契約の巻き直し、その他契約関係の巻き直しについてを擦り合わせ、一定期間を経て譲渡契約書の内容を吟味、無事に締結に至ることができました。



譲渡契約締結後


譲渡契約の締結が完了し、現在は引き継ぎ期間に入っています。


売り手さまが完全に退くとなれば、その学習塾に通う生徒、保護者、講師は不安を抱えます。特にこの時期は、年度替わりで新しい塾への転塾を考えるタイミングにもなりかねません。
そのため、譲渡を行うことで一新されるのではなく、あくまで後任への引き継ぎで、売り手さまも今後携わっていくような案内にし、より教室をレベルアップするためだというアナウンスにすることになりました。


各種契約関係のやりとりも滞りなく進んでおり、年度替わりのタイミングでスムーズに移行ができる状況が整いつつあります。


終わりに

今、時代はとても目まぐるしく変化していて、教育業界もその中の一つであると言えます。さらに子どもを持つ保護者の価値観も変わってきており、今回の売り手さまのように、ギャップを感じる方が増えていてもおかしくありません。

私個人も子どもを持つ身ですが、確かに子どもが勉強をやりたくないと言っている状況で、厳しく言って勉強をやらせることに賛成か?と考えれば、明確にYESとも言えない気がします。


こうした時代の変化についていかなければならず、学習塾の経営は難しくなっているのかもしれません。


そして、仮に塾を閉校することを決定したとき、個人で引き継ぎ手を探すことも不可能ではありません。しかしながら、ある程度トラブルになり得るケースを想定し、先にリスクヘッジしておけるかどうかで、後々に大きな影響を与えます。特に、学習塾という特殊な業態をきちんと理解し、その業態にあった進め方をする必要があります。

セカチャレはその「トラブルが起きないようにするためには何が重要なのか」を理解しています。逆に言えば、「どのようなトラブルが起きやすいのか」を熟知しています。


その点で、「個人間で譲渡を検討しているけれども、トラブルが起きてしまわないか不安…」と思っている学習塾経営者の方のお手伝いは十分にできると自負しています。

利用は無料なので、コストもなく利用できるので、少しでも検討されている方はお気軽にご相談ください。


また、セカチャレには「学習塾やスクールの事業を買収したい」と考えている候補者の方とのネットワークがあります。

「うちの塾は売却ができるのかな?」

「興味を持ってくれる候補者はいるのかな?」

と少しでも気になっている学習塾の経営者様、是非ともお気軽にお声がけください。


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