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「赤字だから売れない」は思い込み? 学習塾M&Aの多くが赤字からの成約という真実

2026年3月10日
学習塾M&A学習塾売却

こんにちは、セカチャレを運営する株式会社インフィニティライフの高木です。


「長年赤字が続いていて、もう限界だ」
「生徒数も減り、経営が不安定。こんな塾を欲しがる人なんていないだろう」


そう考えて、誰にも相談せずに「廃業(閉塾)」を選ぶ学習塾経営者の方が多いように感じます。 5年以上、学習塾に特化したM&A支援を行ってきた私の肌感覚では、実は成約に至る案件の約60%程度は、営業利益が出ていない「赤字」の状態です。


なぜ、数字上はマイナスの塾にお金がつくのか。買い手は一体、どこに「価値」を見出しているのか。現場のリアルな実態をお伝えします。


1. 買い手が「赤字の塾」を欲しがる5つの理由


買い手さまにとって、M&Aは「今の利益を買う」ことだけが目的ではありません。特にセカチャレでご支援している学習塾業界では、以下の5つのポイントに、利益以上の価値を見てくださる方が多い印象です。


① 「立地」と「物件」の確保


新規で開校しようと思っても、駅前や人気の学区に良い物件が空いていない場合もあります。特に、全国的に多くの教室を展開している大手学習塾さんは、出せる場所が限られている状況です。

赤字であっても、「その場所で看板を出している」こと自体が、買い手にとっては数百万〜一千万円の出費(保証金・内装費)を抑えるメリットになり得ます。


② 「生徒数」という実績


0から1人の生徒を集めるコストが爆上がりしている今、たとえ10名、20名であっても「すでにそこに通っている生徒がいる」ことは、新規出店に伴う「集客リスク」をゼロにしてくれます。

最初の1名を集める労力を、学習塾を新規開校した経験のある方は痛いほど知っています。その労力をカットできることに魅力を感じる方はとても多いです。


③ 優秀な「講師・スタッフ」の承継


現在の塾業界は空前の採用難です。以前は比較的高待遇であった業界であり、人材採用にそこまで費用をかけずとも困らなかった、という方が多いです。しかし、最低賃金が上昇し、今や学習塾業界の賃金は、他業種と比べ優位性を持たなくなってきました(それどころか、働く時間も考えればマイナスに捉える人も増えている状況)。

求人媒体に大金を投じても人が集まらない中、指導に慣れた講師が在籍していることは、買い手にとって最も魅力的な「時間短縮」になります。


もし近くで教室を開校している方が候補者となった場合、既存教室への行き来も考えられ、採用の手段の1つとして、既存教室の買収を考えることも可能です。


④ 新規出店よりも圧倒的に低い「トータルコスト」


0から内装を作り、什器を揃え、ゼロから集客を始める。これらには膨大な資金と時間がかかります。居抜きに近い状態でも、ベースがある塾を引き継ぐ方が、結果として投資回収が早まると判断されるのです。


もちろん、自身が理想とする教室を実現するために、すべてを自身で設計、実施することも魅力的ですが、うまくいくかどうかわからないという前提において、できる限りリスクを最小限に抑えたい、というニーズも一定数あります。

⑤ 専門領域の「知見・ノウハウ」


中学受験、大学受験、あるいは特定の領域に特化した独自の指導メソッド。これらは、自社で開発するには数年の歳月を要します。その「歴史」を買うという動機の買い手は非常に多いです。


「廃業」か「譲渡」か。決断で変わる数百万円の差


「もう限界だ」と思った時、そのまま閉塾(廃業)するのと、M&Aを目指すのとでは、オーナー様の手元に残る結果が天と地ほど変わります。


項目廃業(閉塾)の場合M&A(譲渡)の場合
撤去費用原状回復費(数百万円)が発生0円(そのまま引き継ぎ)
清算費用法人清算などの諸費用が必要0円
生徒・講師行き場を失い、信頼を損なう継続(環境を守れる)
オーナーの手元金持ち出し(マイナス)になる売却益が出る可能性がある


廃業すれば多額のキャッシュが出ていくのに対し、M&Aであればその支出をカットし、さらにプラスの現金を手にできる可能性があります


3. 実例紹介:”20年の歴史”と”オーナーさまの人柄”が評価され成約に


これは弊社で支援した、ある塾の事例です。20年以上地域で運営されてきましたが、近隣の競合激化によりなかなか経営がうまくいかない時期が続いていました。借入金もあり、財務状況だけを見れば「この案件は引き継ぎ手を探すことが難しいかもしれない…」と思うような状況でした。


しかし、交渉の過程である候補者さまが注目したのは、オーナーさまの「誠実な人柄」と、20年かけて築いた「地域の信頼」でした。 「このオーナーが守ってきた歴史を引き継ぎ、マーケティングと経営モデルを改善すれば、必ず再生できるであろう」 そう考えた買い手さまによって、無事に成約。オーナーさまは今もその塾で、一人の指導者として指導を行いつつ、今までの顧客とのコミュニケーションをとり続け、ブランドの維持・向上に寄与されています。


4. 価値は「他者」が決めるもの


「赤字の塾を売るなんて恥ずかしい」 「自分でも価値がないと思っているものを人に勧めるのは気が引ける」そう仰るオーナー様に、私はいつも「自分では価値と気づかないことも、見る人によっては価値と感じてくれることもある」とお伝えしています。


例えが不適切かもしれませんが、中古車やリサイクルショップをイメージするとわかりやすいかもしれません。売り側にとっては「誰が欲しがるのだろうか?」と思うようなものでも、部品を欲しがっている人や、修理して使いたい人にとっては宝物である、ということが起きるのです。


M&Aは一期一会です。あなたが「価値がない」と決めつけていたものが、ある人にとっては「喉から手が出るほど欲しいもの」であることは、この業界では意外とあるものだと感じます。


まずは「ダメ元」で、価値の再発見を


赤字だからと諦める前に、まずは市場の声を聞いてみませんか? 私たちは数字の裏に隠れた、あなたの塾の「本当の魅力」を見つけ出し、必要としている人へ届けます。


ご相談は無料、守秘義務は厳守いたします。まずはあなたの歩んできた歴史を聞かせていただけたら嬉しいです。



この記事の著者



取締役 M&Aアドバイザー 高木直人


埼玉大学教育学部卒業後、大手教育系企業、私立中高一貫校講師を経て、株式会社インフィニティライフに参画。学習塾事業、学習塾M&A事業の責任者として、100件以上の学習塾案件を支援、40件程度を成約に導いた。2023年に株式会社バトンズが選ぶベストアドバイザー賞にノミネート。


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