こんにちは、セカチャレを運営する株式会社インフィニティライフの高木です。
昨今の学習塾経営において、多くのオーナーさまを悩ませる最大の課題の一つが「人材確保」です。特に、教室の顔となる正社員や教室長候補の採用は、年々その難易度を増しているように感じます。
中小企業の多くは、採用エージェントを用いるのではなく、自身で求人サイトを利用し、採用をしています。しかし、その手間や成功率はあまり高くないとよく伺います。
そこで今回は、従来の「採用」という枠組みを超え、M&Aによって「塾と人を同時に引き継ぐ」という、今の時代に即した新たな解決策についてお伝えします。
目次
学習塾に限らず、正社員人材を一人採用するためにかかるコストは無視できない規模になっています。
一般的には、人材紹介会社や採用エージェントを利用した場合、年収の30パーセント前後の手数料が発生します。これを学習塾業界の正社員の給与額をベースに換算すると、紹介フィーが100万円〜150万円近くにのぼることも珍しくありません。自社で求人広告を運用する場合でも、一人あたり10万円から30万円程度の費用と、数ヶ月にわたる選考の時間が費やされることが多くあります。
しかし、それだけのコストをかけても、新しく採用した人材が自塾の文化や環境にフィットするかどうかは、実際に現場に立ってもらうまで分かりません。不確実な採用活動には、常にこうした「ミスマッチのリスク」が付きまといます。
M&Aを採用手段の一つとして捉えたとき、最大のメリットはその「確実性」にあります。
新たに人材を採用する場合、ゼロから教育し、現場に馴染むかどうかを見守る必要があります。一方で、M&Aによって塾を引き継ぐ場合、そこには既にその場所で生徒さまと向き合い、日々の運営を支えている教室長、講師陣がいます。
さらには、今までその時間を共にしてきた前経営者から直接その人の評価や感じ方を聞くことができるため、より解像度の高い評価を基に検討をすることができます。
(関係性によっては、不当な評価がされている場合も0ではありませんが…。)
現場の空気感を知り、既に一定の信頼を得ている人材をそのまま確保できることは、買手さまにとって計り知れないアドバンテージとなります。
前経営者さまが大切に育ててきた教室長、講師陣を、譲渡後もしっかりと守っていくためには、引継ぎタイミングの配慮が欠かせません。
講師の方々にとって、オーナーさまが変わることは大きな不安を伴う出来事です。そこで重要なのは、急激に条件や環境を大きく変えないことです。これは今まで他の記事でも常に出てくることですが、まずはこれまでの歴史をリスペクトし、現在の体制を維持しながら、少しずつ信頼関係を築いていく。この慎重なステップが、離職を防ぎ、安定した運営を継続する鍵となります。
できることであれば、直接にコミュニケーションをとる機会を意図的にセッティングし、信頼関係を構築していくことが理想です。
複数教室をある程度アクセスの良い範囲内で運営することになると、校舎間で講師を共有するという新たな戦略が可能になります。
近隣の校舎間で講師を派遣し合うことで、授業のコマを効率よく埋められるようになり、講師一人一人の専門性を活かした配置も行いやすくなります。さらに、オンライン指導を柔軟に取り入れることができれば、場所の制約を超えた人材活用が可能になり、その恩恵はさらに大きくなるでしょう。
これは教室長に関しても言えることですが、以前も紹介したように、1名の管理者が2箇所の教室をきちんと管理することができれば、管理者コストが下がります。それに伴い収支状況は良化し、経営に良い影響を与えることが考えられます。
買手さまが塾の譲渡を検討する際、ぜひ注目していただきたいのが「前経営者さまがどれだけ物理的に事業と関わっているのか」という点です。
オーナーさまの業務量が適度であり、講師陣が主体となって運営に取り組んでいる様子が見て取れる塾は、それだけで人的リソースの価値が高いと言えます。講師が中心となって活気ある教室を作っている事実は、決算書の数字以上に、将来の成長を約束する強力な資産となります。
さらに、こうした方々は、M&Aという変化をポジティブに捉え、新しい経営者の下でより力を発揮することも考えられます。そうした点も踏まえ、従業員がどのような動きをしているのか、可能な限り把握をしておいた方が良いと感じます。
先述の話と若干かぶるところもありますが、ベテランの売手さまから若手の買手さまへ承継が行われた際、組織が劇的に活性化する事例を多く目にします。
長年の運営でどこかマンネリ化を感じていた現場に、新しい経営者の視点や熱量が加わる。この「変化」そのものが刺激となり、講師たちのモチベーションが再び高まるきっかけになるのです。M&Aは、単なる拠点の拡大ではなく、組織の停滞を打破するポジティブな転換点になり得ます。
「求人を出しても反応がない」「良い人材が定着しない」と悩んでいる学習塾経営者さまは、その課題解決の一つの手段としてM&Aも検討してみてください。
教室数を増やしながら、同時に即戦力の組織と人材を確保できるM&Aは、今の厳しい人材市場において、極めて合理的で前向きな選択肢です。
教室長人材がいる案件も、セカチャレでは数多く支援しています。少しでも気になる方は、是非ともお問い合わせください。
この記事の著者

取締役 M&Aアドバイザー 高木直人
埼玉大学教育学部卒業後、大手教育系企業、私立中高一貫校講師を経て、株式会社インフィニティライフに参画。学習塾事業、学習塾M&A事業の責任者として、100件以上の学習塾案件を支援、40件程度を成約に導いた。2023年に株式会社バトンズが選ぶベストアドバイザー賞にノミネート。
・よくある質問
・お問い合わせはこちら
★株式会社インフィニティライフは、中小企業庁のM&A支援機関に登録しています。
https://ma-shienkikan.go.jp/search?corporate_name=%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%95%E3%82%A3%E3%