こんにちは、セカチャレを運営する株式会社インフィニティライフの高木です。
学習塾のM&Aを検討し始めたとき、多くの方が抱く不安は「一体、いつになったら終わるのか?」「どんな手続きが必要なのか?」という不透明さではないでしょうか。
そのような不安を払拭すべく、今回は相談から決済(クロージング)までの標準的なスケジュールと、各ステップで押さえておくべき要所を整理しました。全体像を把握することで、心理的なハードルを下げ、スムーズな一歩を踏み出せるかもしれません。
目次
M&Aは、人生の大きな決断を伴うマラソンのようなものです。弊社にお問い合わせをいただいてから、実際に譲渡が完了(引渡し、クロージング)するまでの期間を考えてみます。
・最短:約3ヶ月
・平均:4ヶ月から6ヶ月
早い方では3ヶ月程度で決着することもありますが、お互いの信頼構築や事務手続きの重さを考えると、半年程度のスパンで考えておくのが現実的です。この期間を長いと感じるか、意外と早いと感じるかは人それぞれですが、ゼロから塾を立ち上げて軌道に乗せる年月に比べれば、圧倒的にスピーディーな展開と言えます。
ここからは、具体的にどのようなことにどの程度の時間がかかるのか、目安をご紹介します。
まず初めに、事業の現状を把握し、最高のパートナーを探す土台を作るところからはじまります。
売手さまには、確定申告書や収支表、生徒数の人数推移、賃貸借契約書などの資料をご用意いただきます。これらの客観的なデータこそが、買手さまが安心して検討するための判断材料になります。
もちろん、準備ができていない場合でも、お問い合わせをいただいて大丈夫です。どの程度の粒度の情報が必要なのか、最初はその物差しも持っていないはずですので、そこからアドバイザーとしてお力添えいたします。
いただいた情報を元に、塾の魅力を伝えるための概要書(IM)を作成します。この資料を用いて、候補者さまには検討をいただくことになります。
その上で、ご興味をいただいた候補者さまとまずはアドバイザーが面談を実施し、案件との相性や、売手さまとの相性を鑑みた上で「この方であれば可能性がありそうだ」という方をご紹介します。
資料のご提出がスムーズに進んだ場合は、お問い合わせから募集を開始するまで約2週間程度、そこから候補者さまと実際に売手さまが面談(TOP面談)に臨むまで早ければ2-3週間程度、合計1ヶ月程度でここまで進むことがあります。
TOP面談を実施し、その後、お互いが「この相手と進めたい」と意向が合致したら、基本合意を締結し、単独交渉に入っていきます。その上で、次は「中身の確認」という非常に重要なフェーズに入ります。
条件が概ね整った段階で「基本合意書」を締結し、デューデリジェンス(DD)と呼ばれる買収監査を行います。
ここまでは不特定多数の候補者との交渉が可能ですが、基本合意を締結すると、一般的にはその合意相手との「単独交渉期間」に入ります。この期間内は、他の候補者との交渉はできず、合意相手のみとのやりとりを進めます。
・法人の譲渡(株式譲渡)の場合
財務、法務、労務などの広範なチェックが行われます。
事業譲渡と異なり、法人そのものを引き継ぐことになるので、より細かいリスクチェックが行われることが一般的です。
特に、決算書や財務諸表には出ていない「簿外債務」と呼ばれるものを代表とする「見えないリスク」を洗い出すために、この期間は重要となります。
・事業譲渡の場合
主に財務内容の確認と、ビジネスとしての継続性が主眼に置かれます。
事業譲渡に限りませんが、ここで隠し事をせず、誠実に情報共有を行うことが、最終的な成約の決め手となります。
このDD自体はおおよそ1ヶ月程度の時間がかかります。提出依頼のあった資料の準備が遅れてしまうと、それだけ時間は後ろ倒しになっていきますが、基本合意の締結から、次の譲渡契約の締結までがざっくり1ヶ月〜2ヶ月程度と見ておけば、大きく相違はないかと思います。
ハンコを押して契約が締結されれば終わり…というわけではありません。ここからが本当の「バトンタッチ」の始まりです。
特に事業譲渡スキームでは、契約関係をそのまま引き継ぐことができる法人譲渡とは違い、以下のような契約の巻き直しが必要になります。
・賃貸借契約の変更
・各家庭(保護者さま)との契約の再締結
利用している各種サービスの契約変更
教室の規模が大きければ大きいほど、これらの契約数は多くなる傾向があり、それらを全て変更しなければいけません。特に賃貸借契約は、大家という第三者も登場するため、このタイミングで何かしらのハードルが生まれることもあります。
さらに、事務的な手続きと並行して、教室長が変わる場合には、各家庭への面談や新しい経営者(兼教室長)の紹介を行います。
生徒さまや保護者さまの不安を取り除き、「この人なら安心だ」という信頼を得るための期間です。この引き継ぎの質が、譲渡後の生徒数維持に直結します。
全体で説明会を実施したり、各家庭と個別面談を実施したりと、対応は様々ですが、いずれにせよ多くの時間と労力が発生します。
契約締結が完了して、上記巻き直しを進め、譲渡が完了(引き渡しを迎えるまで)が早くて1ヶ月程度、余裕を持ちたいと考えれば1.5-2ヶ月程度がかかります。
これらが全て完了し、ようやく肩の荷が降りる、となるわけです。
同じような案件でも、早く決まる方には共通点があります。今まで数多くの学習塾を支援してきましたが、その中で共通点が見えてきました。
・資料の整理整頓
常日頃から収支情報や運営資料をまとめておける方は、募集開始までのスピードが段違いに早いです。
また、募集準備の段階だけではなく、DDや候補者とのやりとりにおいては少なからず資料や情報の提出依頼があるものです。
その提出のスピードが積もり積もって、終わってみれば大きな間隔となって表れる、というイメージです。
・決断の速さ
「この人で進める」「この条件で飲む」という決断のスピード感が、最終的なクロージング期間を大きく短縮します。
これらに付随して、当たり前の話ですがレスポンスの早さも、小さな違いではありますが、長い目で見れば大きな差となって表れます。
学習塾には特有の年間サイクルがあります。一般的には、学校と合わせて3月末あたりの春季講習から、新年度のスタートがある学習塾が多いです。
特に教室長が変わるなど、大きな変化がその学習塾に発生する場合、講師や生徒(特に受験生)が困らないタイミングで切り替わることがベストであると考えます。そのタイミングは、だいたい年度末(3月末〜4月)か、夏期講習の前後(6月〜8月)であると感じます。
それ以降になってしまうと、どうしても受験生に影響が出ます。受験直前になって塾の先生やシステムが変わってしまうと、生徒ももちろん、親御さまも不安になってしまいます。
受験の直前期をできる限り避けて、引き渡しができるタイミングを見つけていくことが理想です。
そうとなれば、新年度(4月)や夏期講習(6月〜8月)という大きな節目から逆算して、少し余裕をもって半年前ほど前から動き出すのが理想的です。
例えば、4月の新体制を狙うなら、前年の秋頃(9月ごろ)には相談を始めるのがベストなタイミングとなります。
そこから候補者が出てきて、翌年1月ごろまでに譲渡契約の締結、そこから約2ヶ月をかけて引き継ぎを終える、というスケジュール感であれば、しっくりくるのではないですか。
M&Aは学習塾経営者さまにとって、一生に一度あるかないかの大きな出来事です。
私たちは、最初の情報収集から募集条件の設定、買い手さまとのマッチング、面談の調整、DDのサポート、そして最終的な契約書の作成から引き継ぎの助言まで、全ての工程をフルサポートしています。
「何をすればいいか分からない」という状態でも構いません。複雑な手続きや心理的な不安を、専門知識とこれまでの経験で「安心」に変えていくのが私たちの役割です。
売手さまが納得、かつ安心していただけるロードマップは私たちが描きますので、是非ともお気軽にお問い合わせください。
この記事の著者

取締役 M&Aアドバイザー 高木直人
埼玉大学教育学部卒業後、大手教育系企業、私立中高一貫校講師を経て、株式会社インフィニティライフに参画。学習塾事業、学習塾M&A事業の責任者として、100件以上の学習塾案件を支援、40件程度を成約に導いた。2023年に株式会社バトンズが選ぶベストアドバイザー賞にノミネート。
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