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学習塾の買収|動向・事例・メリット・デメリット・進め方を解説

2023年5月2日
学習塾買収

こんにちは!「学習塾売却のセカチャレ」を運営する株式会社インフィニティライフです。


・学習塾売却のセカチャレ

https://smallm-a.com

・株式会社インフィニティライフ

https://infinitylife.co.jp


「すでに学習塾を運営しており、経営基盤を固めたい」「異業種を経営しており学習塾業界にも進出したい」などの場合、学習塾を買収することが選択肢の1つです。学習塾の買収を検討する際は、現在の動向や市場規模などを理解したうえで、自身にとって買収が適しているかどうかを判断する必要があります。


そこで今回は、学習塾業界の種類や市場規模、動向から買収のメリット・デメリット、進め方まで詳しく解説します。


学習塾業界とは

学習塾業界は、学習指導・進学指導などを行う教育施設を運営する個人・法人などで構成されます。学習塾の定義や種類、動向などについて詳しくみていきましょう。


学習塾業界の定義

学習塾とは、主に小学校・中学校・高校に通う子どもを対象に学校教育とは別で学習および進学に関する指導を行う施設のことです。大学 受験予備校は学校法人を除く法人が経営するものに限り、学習塾の一種とされています。


学習塾の運営方法は個別指導や集団指導などタイプによって異なります。


学習塾業界の種類

学習塾は、個別指導と集団指導の2タイプに分かれています。また、目的に応じて次の4種類に分類されます。


進学塾

進学塾とは、受験対策に特化した塾のことです。志望校合格という目標に向けて基礎能力から応用力の向上に加え、学校別の特別対策授業も行う傾向があります。入塾テストを実施するほか、小テストの成績に応じた席替え・クラス替えを行う学習塾が多くみられます。


補習塾

補習塾とは、学校の授業や定期テストで良い成績を残すことを目的に学習を行う塾のことです。学習の進度に応じてカリキュラムを組むため、個別指導を行っている塾が多くみられます。進学塾と比べて生徒1人あたりのサポートが充実している傾向があります。


総合塾

総合塾とは、学校の授業サポートから受験対策まで幅広い指導を行う補習塾と進学塾の両方の役割を持つ教育機関のことです。生徒の学力や目的に応じてクラス分し、それぞれのクラスで最適な指導を行います。


専門塾

専門塾とは、学習目的に特化した塾のことです。

英語や数学など特定の科目に特化した「科目特化型」、東京大学や京都大学などの難関大学や医学部受験に特化した「学校別特化型」、基礎力や思考力の向上を目的とした「能力開発」の3つに分類されます。


学習塾業界の市場規模

経済産業省の「特定サービス産業動態統計調査(2023年2月公表 )」によると、2022年の学習塾の売上高は前年比0.6%増の5,549億円、受講者数は前年比0.2%減の1,467万人でした。授業料は単価上昇により増加している一方で、受講者数はわずかに減少しています。


また、2019年までは売上高と受講者数の推移は横ばいでしたが、2020年から2021年にかけて増加しました。


2021年から2022年の教育業界は、コロナ禍からの回復によって生徒数が増加し、コロナ前の水準を上回る企業も一部で存在します。さらに、大学の模擬試験や英検、タブレット学習ソフトなどの受注数も増加するなど、学習塾関連の業種も好調です。


少子化の影響で子供の数は減少傾向にありますが、市場は堅調に成長しています。ただし、生徒数は増減を繰り返し、長期的には横ばいの傾向にあることに留意が必要です。


学習塾業界の動向

大手学習塾は、少子化による顧客減少への対応と事業領域の拡大を目的に、提携や再編が積極的に行われています。他社のターゲットやノウハウの獲得により、多様な顧客層への対応と事業領域の拡大を図る企業が増加している傾向があります。


また、急速に普及しているデジタル教育とeラーニング市場の成長により、今後も再編が進むと考えられます。個人の学習塾における動向について明確なデータはありませんが、弊社サービスのセカチャレのご相談件数からは、毎年多くの学習塾が廃業していることがわかります。


ただし、学習塾の買収も活発であるため、業界が衰退しているわけではありません。学習塾は今後も末永く世間から必要とされる業種であり続けるでしょう。


ニーズの多様化への対応が求められている

従来の学習塾は、大きな教室で多数の生徒を一斉に指導する「集団指導」が一般的でしたが、最近では、生徒のニーズに応じてカスタマイズした「個別指導」やeラーニングが人気を集めています。


個別指導は、生徒一人ひとりに合わせた学習環境を提供し、生徒の学力を高めることができます。eラーニングは、スマートフォンやタブレットなどのデバイスで受講でき、場所を選ばず受けられるため、生徒と保護者の通学の負担と事業者のコスト削減が可能です。


学習塾の増加と少子高齢化により激戦状態

学習塾業界は開業が容易であり、最低限の設備で済ませることもできるため、新規参入しやすい業界として知られています。それだけ学習塾が次々に開校しています。また、少子高齢化によってターゲット層の小学生から高校生が減少しているため、学習塾が生徒を取り合っている状況です。


このように、学習塾が増加している一方でターゲットが減少しているため、激化の一途をたどっています。


学習塾業界の買収パターン

学習塾業界では、小規模から大規模まで多くのM&Aが行われています。学習塾業界における買収パターンは大きく次の3つに分類されます。


学習塾がエリア拡大を目的に学習塾を買収する

学習塾が県内もしくは他府県へ拡大することを目的に地元の学習塾を買収するパターンがあります。


地元の学習塾を買収することにより、その地域の市場に一気に参入できます。既に地域に浸透している学習塾を買収して集客力をそのまま取得することで、速やかに経営の安定化を図ることが可能です。


経営の多角化を目的に異業種が学習塾を買収する

異業種から学習塾を買収することにより、新たな事業領域に進出することができます。学習塾は教育産業に属するため、教育ビジネスに興味を持っている異業種からの買収が増えています。例えば、IT企業が学習塾を買収して、オンライン教育事業に参入するケースも少なくありません。


また、異業種の企業が学習塾を買収する場合、シナジー効果(相乗効果)を得ることも可能です。買収企業が持つ技術やノウハウを学習塾の教育事業に活かし、+αの効果を得ることで、より多くの利益を生み出します。また、買収企業が持つブランド力や営業力を活用することで、学習塾の市場拡大や顧客獲得を促進できます。


企業勤めの人が学習塾を買収する

企業に勤めている人が学習塾を買収し、経営を始めるケースも少なくありません。M&Aと言えば豊富な資金力を持つ企業が行うイメージがあるかもしれませんが、学習塾の規模や状況次第では数十万~数百万円で買収できるため、それほど資金力がなくとも買収できます。


また、現金収入の授業料は前月払いであるのに対し、人件費は翌月払いが一般的なことで安定したキャッシュフローを得られる点も、学習塾経営を始めやすい理由と言えるでしょう。


学習塾を買収するメリット

学習塾の買収は、メリットを理解したうえで検討することが重要です。学習塾を買収するメリットについて詳しくみていきましょう。


学習塾のチェーン展開が可能になる

すでに学習塾を経営している場合、進出したい地域の学習塾を買収し、チェーン展開する方法があります。最初から学習塾を開校するよりも、すでに存在する学習塾を買収する方が市場シェア効率的に拡大できます。


人材・設備などをそのまま流用できる

学習塾を買収する場合、人材・設備、生徒、学習塾の評判なども承継するため、速やかに経営の安定化を図ることができます。人材確保や設備の用意には数百万円もの資金が必要になるケースも少なくありません。


また、準備には多大な時間がかかるため、別事業を経営している方や会社員にとっては、学習塾開業のハードルが高いと言えるでしょう。


学習塾を買収するデメリット

生徒と保護者は学習塾のブランドではなく講師で選ぶ傾向もあるため、優秀な講師を定着させることも重要です。しかし、講師が経営者交代を理由に退職してしまうと、当初予見していたメリットを得ることができなくなる可能性があります。


また、学習塾の運営には講師の人件費、教室の維持費、教材費、広告宣伝費などさまざまな固定費がかかるため、経営リスクが決して低いわけではありません。学習塾を買収する場合は、承継できる財産を明確化しつつ経営リスクをなるべく正確に分析し、買収先を選ぶことが大切です。


学習塾業界の買収の進め方

学習塾業界の買収は、買い手の選定、買い手との交渉、契約の流れで行います。大手・大規模のM&AではM&A戦略の立案やデューデリジェンスなどを入念に行う傾向があります。


学習塾業界の買収の進め方について詳しくみていきましょう。


1.M&A戦略の立案

M&Aの目的を明確化したうえで、目標を達成するための戦略を立てます。例えば、企業勤めの人が学習塾を買収して経営を始めたい場合、買収後の経営方針や方法などについて事前に考えておくことが大切です。


2.買収先候補の絞り込み

買収したい学習塾をピックアップします。M&Aの目的を達成できそうな学習塾を数社まで絞り込みましょう。生徒や講師の人数、売上高などからは、経営の安定性が見えてきます。


3.買収先候補に提案

買い手を見つけたら条件交渉を開始します。秘密保持契約を締結し、情報漏えいのリスクを軽減させることが重要です。譲渡価格や売買範囲、従業員の処遇、今後のスケジュールなど、各項目で合意を得るために話し合います。不明点や疑問点などは自己判断せずに必ず確認しましょう。


4.トップ面談

大きな企業の場合、買収先候補に提案するのは経営者ではありません。ある程度の話し合いが進んでから経営者同士で面談することがあります。企業勤めの人が学習塾を買収するケースでは、当然ながら最初からトップ面談となります。


5.基本合意締結

M&Aの条件がまとまったら基本合意契約を締結します。基本的な条件や独占交渉権、守秘義務、スケジュールなどを記載しましょう。基本合意契約の内容は、この後に変更となる可能性があるため、法的拘束力を持たせないことが一般的です。


6.デューデリジェンス

大手企業の場合、買収のリスクを軽減するためにデューデリジェンスを行う傾向があります。デューデリジェンスとは、財務や事業、法務、税務など、さまざまな項目におけるリスク時効を洗い出すことです。


企業勤めの人が学習塾を買収する場合、デューデリジェンスを行うことは通常ありません。しかし、買収してから大きなリスクが発覚すると買収したことを後悔する恐れがあります。そのため、どうしても気になる点については弁護士や公認会計士、税理士などと連携し、デューデリジェンスを行うことも1つの方法です。


7.最終契約

これまでの経緯によっては基本合意契約に含まれていなかった条件を追加・変更することになります。全ての条件を確定したら、最終契約を締結します。最終契約には法的拘束力があるため、契約締結後に破棄すると賠償金の支払いが必要になるため、契約の是否は慎重に検討しましょう。


8.クロージング

クロージングとは、売主から買主へ株式を譲渡したり、買主から売主へ譲渡代金を支払ったりすることです。また、経営を引き継ぐ際に必要な契約の名義変更や講師とのやり取り、生徒や保護者への説明なども行います。


学習塾業界の買収事例

学習塾業界では、大手企業による買収が多数行われています。学習塾業界の買収事例について3つ紹介します。


ヤマノホールディングスがマンツーマンアカデミーを買収

ヤマノホールディングスは2019年12月、マンツーマンアカデミーの子会社化を発表しました。同グループは美容事業、和装宝飾事業、DSM事業を中核事業としており、今回の買収は学習塾業界への進出を目的としています。


マンツーマンアカデミー社は、やる気スイッチグループが全国展開する個別指導塾「スクールIE」のFC加盟店として、関東圏内で36店舗を運営しています。20年以上にわたり生徒数全国No.1の実績を誇ります。


株式会社ナガセが株式会社早稲田塾を買収

株式会社早稲田塾は、現役高校生を対象とした「早稲田塾」を東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県で運営しており、AO・推薦入試の分野で優れたブランド力を持ちます。


株式会社ナガセは「東進ハイスクール」、「東進衛星予備校」、「四谷大塚」などのブランドで小中学生から高校生を対象とした学習塾を幅広く展開しています。今回のM&Aの狙いは、自社グループの競争力および総合力の強化です。


駿台グループが株式会社マナボを買収

株式会社マナボは、スマートフォンを用いた家庭教師アプリ「manabo」の提供会社です。2012年に創業し、2013年にはサイバーエージェント・ベンチャーズから約4000万円のシード資金を獲得しました。


2014年にはベネッセなどから3.3億円、2016年には増進会ホールディングスから2.5億円を調達するなど、今後が期待されていた企業でしたが、駿台グループが買収し、グループ内のエスエイティーティーが全株式を取得して完全子会社化しました。


学習塾の買収なら「セカチャレ」にご相談ください

学習塾の買収を検討する際は、M&A戦略を立てたうえで買収条件を明確化し、自身に合った学習塾を探すことが重要です。条件を満たした学習塾を探す際は、専門家に相談しましょう。


学習塾専門のM&Aプラットフォーム「セカチャレ」は、学習塾を買収したい人と売却したい人をつなげるとともに、プロのアドバイザーが条件のすり合わせや面談などを全面的にサポートしておりますので、どうぞお気軽にご相談ください。