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赤字塾や個人塾でもM&Aは可能?「買い手がつく塾」の意外な共通点

2026年3月30日
塾開業・廃業学習塾M&A

1.はじめに

「赤字が続いているから、売却なんて無理だろう」 「生徒数が20名以下の小さな個人塾だし、相手にされるはずがない」

そんなふうに考えて、長年守ってきた塾を「廃業」という形で終わらせようとしていませんか? 実は、M&Aの世界において「直近の利益」だけが評価のすべてではありません。一見、価値がないと思い込んでいる塾でも、別の視点から見れば、買い手にとって非常に魅力的な「お宝案件」であることは珍しくないのです。

今回はアドバイザーの吉田が、赤字塾や小規模塾でもM&Aを成立させ、生徒や講師の未来を守るためのポイントを詳しく解説します。

2. 買い手が「赤字」でも買いたいと思う3つの戦略的理由

なぜ、現在利益が出ていない塾に買い手がつくのでしょうか。そこには、買い手側(特に多校舎展開を狙う企業)の明確な戦略と、「目に見えない資産」への評価があります。

買い手が考える赤字でも譲受するメリットを以下に3つ挙げます。

「即戦力の現場」を手に入れられる

新しく教室を開校する場合、内装工事の業者選定から打ち合わせ、什器備品の調達、ネット回線の敷設……と、授業を開始するまでに膨大な手間と時間がかかります。たとえ赤字でも、すでに「学習環境」が整っており、今日からでも授業ができる状態は、買い手にとって「準備期間というコスト」を大幅に削減できる大きなメリットです。

地域に浸透した「塾としての認知」

同じ場所で数年運営しているだけで、「あそこは塾だ」という地域住民の認識(サイテーション)が出来上がっています。これは一朝一夕には手に入らない価値です。ゼロから看板を出すよりも、既存の塾を継承するほうが、地域への浸透スピードが圧倒的に早く、集客コストを抑えられると判断されます。

自社の「集客メソッド」で再生できる

  • 「この内装と設備があれば、自社のWeb集客ノウハウを入れれば確実に黒字化できる」と確信している買い手は、現状の数字よりも、今あるリソースをどう活かせるかを重視します。

3. 小規模塾(生徒数30名以下)だからこその「強み」

「うちは小さいから…」という控えめな姿勢は不要です。小規模塾には、大手にはない「売却のしやすさ」という武器があります。

① 独立希望者や副業層とのマッチング

大手企業が買収するには規模が小さすぎても、これから独立したい個人や、副業で塾経営を始めたい若手講師にとっては、初期投資を抑えてスタートできる理想の第一歩になります。こうした新規開校と天秤にかけた検討は多く、「個人対個人」のマッチングは非常に増えています。

② 特定校に特化した「信頼」の引き継ぎ

「〇〇中学校のテスト対策ならこの塾」という非受験生にも刺さる強みは、大手が多額のコストをかけてもすぐには手に入らない武器です。長らく収集し、整理されたことで必要なときすぐ使える過去問は近隣中学への理解のわかりやすい指標であり、選ばられる理由になります。地域からの信頼が維持されている塾であれば、規模の小ささはデメリットになりません。

③ コスト構造のシンプルさ

小規模であればあるほど、固定費(家賃や人件費)が整理されており、買い手側が買収後の収支シミュレーションを立てやすいという利点があります。

ただ、人件費に関しては落とし穴もあります。個人事業主の方の場合は、自身の人件費を計上しておらず、ご自身で実感する利益と、買い手側が想定する利益の定義にズレが生じることもあります。

4. 「廃業」ではなく「M&A」を選ぶべき、もう一つの切実な理由

経営者が最も避けるべきなのは、諦めて「廃業」を選んでしまうことです。

廃業には「多額のコスト」がかかる


物件の原状回復費用(スケルトン戻し)、リース品の解約違約金、什器備品の処分費用……。ただ閉塾するだけでも百万円単位のお金が出ていくのが廃業です。

M&Aは「プラス」を生む


譲渡代金として手元に現金が残る可能性があるだけでなく、「生徒が転塾せずに済む」「講師が職を失わずに済む」という、教育者としての最大の責任を果たすことができます。閉塾を経験する塾長は口を揃えて転塾先探しと、その案内が一番辛かったと口にします。

5. まとめ:まずは「価値の棚卸し」から始めましょう

「うちは売れるはずがない」と決めつける前に、一度プロの視点で塾を見てみませんか?あなたがこれまで地域の子どもたちのために積み上げてきた情熱や、日々の「整理整頓」の積み重ねは、必ず誰かが必要とする「価値」になっています。

第3回でお伝えした通り、12月の契約締結に向けて動くなら、春先がまさに相談を始めるベストタイミングです。夏期講習準備で忙しくなる前に譲渡先募集の準備を終え、夏期講習明けにはすぐにでも交渉に入れるようにしましょう。

「赤字だけど、生徒や講師の先行きが心配だ」 「自分の塾に、どれくらいの価値があるのか知りたい」

そんな想いをお持ちでしたら、ぜひ私、吉田に聞かせてください。あなたの塾が持つ「本当の価値」を一緒に見つけ出し、最良のバトンタッチをお手伝いいたします。


この記事の著者


M&Aアドバイザー 吉田諭


首都大学東京都市教養学部機械工コース(東京都立大学 システムデザイン学部 機械システム工学科)卒業後、大手教育系企業、建材メーカーを経て、株式会社インフィニティライフに参画。学習塾M&A事業のアドバイザーとして、80件以上の学習塾案件を支援、30件程度を成約に導いた。


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