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学習塾M&A「3つの成約ストーリー」から見る”成功の法則”

2026年4月21日
学習塾M&A

こんにちは、セカチャレを運営する株式会社インフィニティライフの高木です。


学習塾に限らず、M&Aは、単なる数字の売買ではありません。そこには、売手さまが築き上げてきた歴史と、買手さまが描く今後のイメージがマッチするかどうか、という判断基準があります。


今回は、セカチャレにおいて私が今まで支援した事例の中から、特に象徴的な3つのエピソードをご紹介します。撤退予定の学習塾譲渡、未経験からの急成長、そして戦略的な規模拡大。それぞれ全く違うストーリーや意図、背景があり、その中に、学習塾のM&Aを成功させるためのヒントを見出してみます。


【ケースA】赤字・撤退予定から譲渡を決断、成約に至った学習塾


まず初めに紹介するのは、埼玉県内で以前譲渡が成立したかなり小規模な自立学習塾のM&A案件です。


教室の状況と課題



生徒数は10名弱。教室長を外部採用していたため、毎月の人件費が重くのしかかり、赤字が続いていました。売り手さまは「これ以上の継続は困難」と判断し、一度は撤退(廃業)も検討されていました。


しかし、インターネットで色々調べていたところ「譲渡をする」という選択肢があることを知り、その中で弊社のサービスへご相談をいただきました。


専門家かつ第三者としての視点


一見すると「赤字の小規模校」で敬遠されがちな案件に映るですが、裏を返して見ることもできる要素がありました。


・赤字の要因にはなっているものの、既に運営を任せられる人材(教室長・講師)が在籍している。よって、事業拡大を検討している候補者にとっては採用コストをかけずに済むのでメリットになる。


・教室がコンパクトであり、立地自体は家賃相場が高い場所であったものの、相対的に家賃負担が軽い。 展開を考えている買手さまにとっては、固定費リスクを抑えつつ、すぐに戦力を手に入れられる「優位な拠点」になり得る。


結末とその後



イメージしていた通り、既に2〜3教室を展開していた学習塾経営者さま(買手さま)が手を挙げてくださいました。既存教室からは少し離れたエリアでしたが、そこは教育熱が高く、以前から進出を狙っていた場所だそうです。


さらに、展開には人的リソースがネックになっていたようで、その部分をクリアーできるということも、話を進めることができた要素の1つであったということです。


「この立地と、既に講師がいる環境なら、自社のノウハウで黒字化できる」


そう確信された買手さまによって、無事にバトンが渡されました。廃業しかけていた塾が、縁と新経営者さまの情熱によって活用が決まった瞬間でした。


【ケースB】サラリーマンから独立、あっという間に大規模塾に成長


次にご紹介する案件は、東京都内でこちらも数年前に成約した案件です。譲渡時の生徒数はそこまで多くなかったものの、M&Aを通じて大きな変化をした案件ということで記憶に残っています。


買手さまの属性と決断


買手さまは、大手コンサルティングファーム出身の比較的お若い経営者さまでした。学習塾業界は全くの未経験でしたが、「いずれは自身の学習塾を経営したい」という熱意をお持ちで、ご縁をいただいた方になります。

ゼロからの新規開校ではなくM&Aを選んだ理由は、リスクの低減です。30年以上の歴史がある地域密着型の教室を、立地と取得コストのバランスを評価して引き継ぐ決断をされました。


なぜこの買手さまを選んだのか?


この成約を決定づけたのは、買手さまの「人柄」であったように感じます。30年学習塾を続けてこられた売手さまに対し、常に深いリスペクトを持って接し、熱心に将来のビジョンを語る姿に、売手さまも「この人なら安心して任せられる」と心を動かされたのではないでしょうか。


譲渡後:譲渡後の劇的な変化


熟年の経営者さまから若手の経営者さまへ。伝統的なスタイルを踏襲しつつ、IT活用や現代的なマーケティングといった新しい風が吹き込まれました。
結果として、引き継ぎ時にはそこまで多くなかった生徒数が、今や100名を超える地域トップクラスの人気教室へと成長を遂げています。


さらにそこから複数教室の展開を成功させており、学習塾経営者として成功した買手さまとして、強く印象に残っています。


【ケースC】1+1が3になる、事業拡大のための戦略的M&A


最後のケースは、首都圏で小学校受験対策のサービスを提供する教室の案件です。これまででほとんどなかった「小学校受験」の対策教室、ニッチなサービスであったため、こちらも記憶に強く残っています。


買い手さまの目的


買手さまは、既に広域で塾を運営する大手法人です。すでに中学受験から大学受験までのサービス提供体制は整っており、英会話や通信教育などに少しずつ事業の幅を広げているところでした。


そんな中で、この案件をご検討いただき、場所はその時点で展開しているところと合致はしていなかったものの、内部ノウハウを取り込み、自社が展開する地域でも活かせるのではないかということで、お話を進めてくださることになりました。


生み出されたシナジー


買収は極めてスムーズに進みました。
この案件も、売手、買手双方が、それぞれに対してリスペクトを持っていたことや、特に売手側の数字管理や運営体制がきちんと整っていたことで、必要資料がすぐに出てきたり、引き継ぎをするうえで重要な要素が整理されていました。


買手さまは獲得したノウハウを即座に自社の他エリアの教室へ展開。これまでリーチできていなかった低年齢層の集客に成功し、エリア全体のLTV(顧客生涯価値)を大幅に向上させることに成功しました。


既存の対象事業をただ拡大するだけではなく、そのノウハウを活かして展開するという視点において、本件はとても良い成功事例であったように感じます。


成功するM&Aに共通する「法則」


多くの事例を見てきて、成約する案件にはやはり共通点があることに気づきました。


項目成功する人・案件の特徴
マインド売手さま・買手さま双方が相手にリスペクトを持っている
柔軟性「自分のやり方が絶対」と固執せず、現状の良さを認められる
判断基準数字や規模だけでなく、立地や「人」などの無形価値にも目を向けている


決まる方はみな、奢りがありません。相手の立場に立ち、その塾が持つ本来の価値に興味を持てる人こそが、最良のご縁を掴んでいると感じます。


セカチャレの役割



個人間のM&Aや、小規模塾の譲渡がまだ一般的ではなかった時代、私たちは「情報の非対称性」を埋めることに注力してきました。


・契約や交渉のファシリテート

・適切な価値評価(査定)

・熱意ある買い手さまとのマッチング


これらが必要なタイミングで適切に提供されたからこそ、本来なら閉校してしまっていた教室を、存続させられたと自負しています。


もしあなたが、 「自分の代で閉めるしかない」と諦めかけている売手さま、 「一歩踏み出したいけれど、ゼロからの起業はリスクが大きいのではないか」と足踏みしている買手さまがいらっしゃればぜひとも一度お気軽にお声がけください。


多くの事例があるように、あなたにとっての「課題」は、誰かにとっての「価値かもしれません。



この記事の著者



取締役 M&Aアドバイザー 高木直人


埼玉大学教育学部卒業後、大手教育系企業、私立中高一貫校講師を経て、株式会社インフィニティライフに参画。学習塾事業、学習塾M&A事業の責任者として、100件以上の学習塾案件を支援、40件程度を成約に導いた。2023年に株式会社バトンズが選ぶベストアドバイザー賞にノミネート。


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