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「廃業」ではなく「承継」、学習塾経営者が最高の形で教室を引き継ぐ考え方

2026年4月16日
学習塾M&A学習塾売却

こんにちは、セカチャレを運営する株式会社インフィニティライフの高木です。


学習塾経営者さまの中には「長年守ってきたこの塾を、終わらせていいのか」 「売却を考える、決断することは、生徒や講師を裏切ることにならないか」と考えている方は多くいらっしゃいます。


多くの学習塾経営者さまにとって、M&A(事業承継)の検討は、単なるビジネス上の決断ではありません。それは、自身の人生の一部を切り出すような、何事にも例え難いプロセスでもあります。
しかし、今までの学習塾M&A支援を通じて私が確信しているのは、「正しい心構え」を持ってバトンを渡すことは、学習塾経営者さまにとっての「誰しもにとって良いこと」であるということです。

最高の形で塾を引き継ぎ、売手さま自身の売却後のキャリア、生活を豊かに始めるための「3つの考え方」についてお話しします。


「まだやれるかも」という今こそ、最高の売り時かもしれない


セカチャレにお問い合わせいただく多くの売手さまは、「もうやり切った」と廃業に変わる選択肢としてたまたま見つけた、くらいの状態で相談に来られます。
しかし、言葉を選ばずに申し上げれば、このやり切ったという状態は、すでに塾の資産価値が下がっている状態であることが多い、ということです。


経営の「鮮度」を逃さない


辞めるタイミングが近づき、売手さまが少しずつ準備を始めようとすると、如実に「集客の停滞(停止)」や「生徒数の微減」となって数字に表れます。辞めようとしているのに生徒を増やそうとする人はいない、ということは当たり前のことなのですが、売却のことだけを考えれば、とてももったいないことであると感じます。


  • 金銭的メリット:利益が出ていて、まだ多くの生徒が通う「売れる状態」で決断することが、結果として最も高い売却益を生みます。また、そのような状態の学習塾を希望する買い手も多く、単純に成約可能性も高くなると考えられます。


  • 責任の果たし方:先述のような良い状態の案件を検討している買手さまは、すでに学習塾経営の経験があり、うまくいっている方が多い印象があります。
    そのような安心できる買手さまに引き継ぐことが、間接的に今通っている生徒や講師のためになることが多いと感じます。


「いつか」ではなく、「今」動くこと。それが塾の価値を最大化する選択の一つです。


不都合な事実こそ「さらけ出す」



候補者との交渉において、赤字や教室(物件)の老朽化、講師の退職リスクといった「ネガティブな情報」を隠したくなることがあります。しかし、M&Aでは、そんなネガティブな情報もきちんと伝えなければいけないと私は考えています。


誠実さは「信頼」という利息を生む


後になって「聞いていた話と違う」というトラブルが起きることほど、不毛なものはありません。一度、信頼関係が崩れてしまうと、そこから先のやりとり全てをギスギスしながら進めることになってしまいます。


信頼の副産物:包み隠さず話してくれる相手に対し、候補者は深い敬意を抱きます。「この人が言うことなら信頼できる」という関係性は、スムーズに交渉を進める潤滑油となり、結果、自身にとって良い条件でまとまる可能性もあると感じます。


リスクの共有:事前に課題を共有し、それを承知の上で検討してもらうことが、売手さま自身の身を守ることになります。


後任に「任せる」姿勢が重要


譲渡が完了した後、どのように事業が運営されていくのか、売手さまの最大の関心ごとかと思います。引き継ぎ手がどのような教育観を持っているのか、自身が築いてきた文化がどのように継承されていくのか。


場合によっては、「自分の考えが正しい」とばかりに、引き継ぎ手の考え方を否定してしまうこともあるかもしれません。しかし、そのような姿勢はあまり良くありません。
売手さま視点においても、どのようなスタンスで接するべきなのか、考えてみました。


引き継ぎ手の可能性を信じる


新しいオーナーには、新しいオーナーのやりたいことがあります。


  • 自分の考えが全てではない:時代や環境が変われば、正解も変わります。教育業界も、他の業界同様、目まぐるしく方向性が変わっていきます。常に正しい考え方があるとは限らないということを受け入れる必要があるかもしれません。


  • 変える勇気を尊重する:「残すべき伝統」は守りつつも、「変えていくべき部分」は買い手に委ねる。むしろ、やり方を変えるという決定は、買手サイドからしても大きな決断です。それにより生徒が離脱することも考えられます。それでもなお「この変化が必要だ」と考え、実行するということを、尊重すべきではないでしょうか。


私がこれまで見てきた中で、すごく素敵な関わり方を見せてくださった売手さまがいます。 生徒数が100名を超え、絶好調だった塾を、「この環境を利用して、さらに大きな事業にしてほしい」という願いを込めて、かなり手を出しやすい金額で若い経営者さまに譲渡されました。


そのオーナー様は、譲渡後、新しいオーナーのやり方に一切口を出しませんでした。「やりたいようにしたらいい」というその潔いスタンスが、結果として引き継ぎ手の熱量を最大化させ、塾をさらなる飛躍へと導いたのです。


候補者を「疑う」のではなく「見極める」姿勢



「買手は安く叩こうとしているのではないか」と敵対心を持ってしまうと、交渉は必ず停滞します。 もちろん、買う側はできる限り安く手に入れたいと考えることは事実です。
しかし、成功する売手さまは、相手に対して「誠実に対応しながらも、譲れないラインを明確に提示する」という、しなやかな強さを持っています。


条件を明確にすれば、買い手もその前提で真剣に検討してくれます。疑うことにエネルギーを使うのではなく、前提をクリアーした上で相手が「信頼に足る人物か」を見極めることに集中しましょう。


終わりに


「生徒を売り物にするようで申し訳ない」という罪悪感を感じる売手さまに知っていただきたいことがあります。 歴史に敬意を持ち、売手さまの想いを受け継いでくれる誠実な買手さまに巡り会うことができれば、今あなたが抱えている不安のほとんどは、意外にもあっさりと解消されます。


現場で多くの「その後」を見てきた結果、そのように感じます。学習塾をM&Aし、引き継ぐということは、裏切りではなく、売手、そこに通う生徒や講師、買手が三報よしとなる選択肢です。


あなたが大切に育ててきた塾の歴史を、最高の形で次の経営者へ。そのサポートを、私が誠心誠意、務めさせていただきます。



この記事の著者



取締役 M&Aアドバイザー 高木直人


埼玉大学教育学部卒業後、大手教育系企業、私立中高一貫校講師を経て、株式会社インフィニティライフに参画。学習塾事業、学習塾M&A事業の責任者として、100件以上の学習塾案件を支援、40件程度を成約に導いた。2023年に株式会社バトンズが選ぶベストアドバイザー賞にノミネート。


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