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【事業譲渡ケースその30】大阪府の個別指導塾、複数教室をまとめて譲渡

2023年3月9日
譲渡例(今までのケース)

こんにちは!「学習塾売却のセカチャレ」を運営する株式会社インフィニティライフの高木です。

・学習塾売却のセカチャレ https://smallm-a.com

・株式会社インフィニティライフ https://infinitylife.co.jp

セカチャレは、学習塾専門の株式、持分、事業売却のサポートサービスとして、今まで150件以上の学習塾売却に携わってきました。

学習塾経営者様の方には「株式売却、持分売却、事業売却は大規模な企業の話、自分には関係のないことだろう。」と考えている方も多くいらっしゃいます。

しかし、

・学習塾を閉校したいが、生徒や講師のことを考えるとやめられない

・体調面に不安があるが、引き継ぎ手がいない

・別の事業に集中したい

という方にとっても、株式売却・持分譲渡・事業売却は1つの選択肢となります。売却をすることがどのようなことなのか、それにより得られるものは何なのか、当ブログでご紹介します。

今回は、実際に最近行われた、大阪府の学習塾における事業譲渡の例をご紹介します。どのような学習塾が、どのようなフローで譲渡されていくのか。具体的なイメージをもっていただけるのではないでしょうか。

今回の教室は、オーナー様が個人事業として3教室を展開されていた学習塾でした。1教室だけの学習塾と比べて、どのようなメリットがあり、どのような苦労が想定されるのか、是非この記事をご参考ください。

学習塾事業概要

教室住所:大阪府南部地区

指導形態:個別指導
生徒数 :全教室合計40〜50名
売上高 :1,000万円〜1,200万円
営業利益:200万円〜400万円

譲渡金額:約165万円

★案件ページはこちら(【自走可/3教室】大阪市郊外南部地区の小規模個別指導塾

事業譲渡を決めたきっかけ・募集開始

今回の売り手様からご連絡をいただいたのは、2022年12月中旬ごろでした。「個人事業でやっていて、規模も全く大きくないのですが、それでも譲渡を受けてくださる方はいるのでしょうか?」というお問い合わせでした。

実は、もともとこの売り手様も、自身が講師として勤務していた前の代表者からこの学習塾を引き継ぎ、運営をスタートさせた経緯があり、「譲渡をする」という選択肢があることは知っていたものの、公にそれを募集し、今の状況で買い手がつくかどうかは不安に思っているようでした。

ここ最近、ご家族の体調があまりすぐれず、学習塾はどうしても物理的に拘束されてしまう場面が出てくること、もし何かあったときに、すぐにかけつけることができないという可能性があるため、どなたかが学習塾を引き継いでくれるのであれば、探してもらえないか、というご依頼でした。

現在運営している3教室のうち、少なくとも1教室はいずれにせよ閉校しようと考えていたようで、先にこの1教室だけでもという選択肢も考えながら、お話を進めていくことになりました。1教室単体で譲渡をする場合、複数教室をまとめて譲渡をする場合で、候補者の人物像も変わってくる可能性があります。

教室数が多いということは、買収をすることで一気に教室を拡大することができます。また、もし万が一どこかの教室の経営状況が芳しくなくなってしまった場合は、教室単位で損切りができるという側面もあります。

一方で、多くの教室があるということは、それだけマネジメントも大変になることや、収支的に安定していない場合は、立て直す必要がある教室が増えることで、難易度が上がる可能性があります。

候補者の方のご希望に応えられるように、いずれにせよ対応できる状況にしながら、お話をすすめていきましょうとすり合わせをし、譲渡金は200万円程度に設定をして、買い手様の募集をスタートさせました。

募集のスタート後

この学習塾の強みは大きく2つありました。1つは、「講師全員が経験豊富な社会人講師であること」。もうひとつは、「オーナー様は指導には入っておらず、日々の運営は講師の方が対応することができる(自走している状態)」という点でした。

一般的に、個別指導の塾は大学生の講師を多く採用していることが多いです。経験のある社会人講師は母数が少なく、教室に占める割合は低いところがほとんどでありますが、この学習塾は社会人講師のみで全生徒に対して指導を行っており、その点で保護者からしても、お子様を預けるのに安心できる、との声があると仰っていました。

以前は、大学生の方を採用していたこともあるみたいですが、突然のシフト変更や、指導内容および子どもとの関わり方において、どうしても納得いかない部分があったそうで、このような対応にしようと決められたそうです。確かに、子どもだけでなく保護者への対応もできる人材がいることは、オーナーとしてはとても安心材料になります。

また、ここ最近は、自走できる事業がとても好まれています。理由は多くありますが、

・サラリーマンとして企業に勤めていて、自身が学習塾の運営に携わることができなくても良い

・マネージャー人材を採用する必要がない

・運営が大きく変わらないので、引き継ぎ時の離脱リスクなどを低くできる

といったことが挙げられます。個人で学習塾の買収を検討している方も、すでに学習塾を経営されていて、展開を考えている方にとっても、自走している学習塾は魅力となる点が多くあるのです。

この2つの要素は、それぞれ相乗効果を生み出し、経験のある社会人の先生たちが、自分たち自身で事業を回転させることもできる、という状況が、この案件の何よりの魅力であり、その部分を候補者の方には伝えていく必要がありました。

※参考:【学習塾の事業譲渡】良い塾ってどんな塾?M&Aの視点から解説!

交渉・基本合意・譲渡契約

引き合いの方は合計10者ほどいらっしゃいましたが、予想通り、さまざまなバックグラウンドをもつ方々に手を挙げていただきました。その中で、今回お話を進めることになったのは、現在会社勤めをしながら、副業として不動産賃貸業などを行う個人の方でした。

もともと、副業をさらに発展させていきたいという思いがあったことや、社会貢献性の高い事業に取り組みたいという思いがあり、教育や学習塾事業に常に関心があったそうです。以前から、弊社の別の案件でも積極的にご検討をいただいておりましたが、その中で、安定した生徒数を確保できているということで、今回のこの学習塾について、より具体的にお話を進めてくださることとなりました。

引き継ぐとなった場合は、奥様が運営にも入れるとのことで、ちょうど売り手様も女性であったこともあり、売り手様が抜けたとしても、その穴をカバーできる状況にあったことが、今回お話を進めていただける要素の1つであったのではないでしょうか。

一度、オンラインにてトップ面談を行い、そこで買い手様には実際の運営面などのイメージをクリアにしていただきながら、話もはずんでその場で実際に現地内見に行きたい、と仰っていただきました。面談の3日後くらいには、現地をご覧になっていただき、その日のうちに買い手様から「今後、話を詰めていきたい」というお言葉をいただきました。

売り手様も、買い手様のお人柄や、迅速丁寧にご対応くださる誠実さにとても好印象をおもちで、二つ返事で基本合意の締結に進むことができました。

基本合意後、DDのフェーズに入ってからも、双方とても丁寧に、かつスピーディーにご対応をいただきました。買い手様からは細かく、特に運営に関しての質問を多くいただき、それについて売り手様も細かく、わかりやすく説明をしてくださいました。

DDの際に、買い手様からの質問に対して、このような対応をしていただけると、買い手様の信頼感も高まり、譲渡までのスムーズさや、その後のやりとりも順調に進むことが多いです。一方で、ここで時間がかかってしまったり、歯切れの悪い回答になってしまうと、不信感が生まれてしまったり、引き継ぐことに対してリスクを感じてしまい、破談となる可能性も高まってしまいます。

最後に、今後の運転資金などの確保のための金額交渉などもあり、譲渡希望金額から15%ほど低い金額とはなりましたが、各教室の物件管理会社や、家主様にも前もって譲渡の承諾をいただき、先日無事に譲渡契約を締結することができました。

ここから、引き継ぎを経て、4月1日から新しい運営体制での運営がスタートします。

今回の案件は、大阪府の案件でしたが、最近関西地方の案件もとても多くなっていています。大阪府、京都府、兵庫県、奈良県、和歌山県などで学習塾を譲渡したい、または学習塾を経営してみたい、という方にも、参考にしていただければ幸いです。

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本ケースのように、ご自身のことだけではなく、家族や身の回りの環境が変化することで、学習塾をやむを得ず手放さなくてはいけない…というご相談も少なくありません。しかし、もちろん生徒や講師を野放しにすることもできず、どうすれば良いかわからない…。そのようなお悩みは、事業譲渡や法人譲渡をすることで、解決することができます

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