事業譲渡例34|ライフステージの変化で譲渡を決断。東京都内の個別指導塾の譲渡

2023年5月31日
譲渡例(今までのケース)

こんにちは!「学習塾売却のセカチャレ」を運営する株式会社インフィニティライフの高木です。


セカチャレは、学習塾専門の株式、持分、事業売却のサポートサービスとして、今まで150件以上の学習塾売却に携わってきました。

学習塾経営者様の方には「株式売却、持分売却、事業売却は大規模な企業の話、自分には関係のないことだろう。」と考えている方も多くいらっしゃいます。


しかし、

・学習塾を閉校したいが、生徒や講師のことを考えるとやめられない

・体調面に不安があるが、引き継ぎ手がいない

・別の事業に集中したい

という方にとっても、株式売却・持分譲渡・事業売却は1つの選択肢となります。売却をすることがどのようなことなのか、それにより得られるものは何なのか、当ブログでご紹介します。


今回も先日まとまった案件のご紹介です。この案件は、売り手様ご自身も、前のオーナーから譲渡を受けてスタートした学習塾で、今度は自身が売り手となって、弊社にお問い合わせをいただきました。


譲渡を受けた当時は想定していなかったライフステージの変化により譲渡を決断された売り手様。お話がまとまるまでのプロセスをご紹介します。

学習塾事業概要

●教室所在地
東京都八王子市

●指導形態
個別指導

●生徒数
20〜30名程度

●売上高
約1,200万円

●営業利益
200万円〜300万円

●譲渡金額
約800万円

●案件ページ

【黒字/自走可】八王子市内の高単価個別指導塾

事業譲渡を決めたきっかけ

今後も長く続けていく予定だったが…

この売り手様からご連絡をいただいたのは、今年に入って1ヶ月ほどが経ったころでした。この塾はその約1年半ほど前に別のオーナーから譲り受け、スタートを切った教室で、もちろんそのときは今後何年も続けていこうと考えた上で、譲渡を受けたそうです。


以前は、オーナー兼教室長の方が運営をしていましたが、この売り手様は別に本業があり、自身が毎日教室に入ることは難しく、教室長を採用して塾運営を行なっていました。

また、当時は小学生と中学生のみがターゲットであったところを、高校生もターゲットにすることで通える範囲を広げ、高校受験を機に今まで卒業していた生徒に引き続き通ってもらうなど、運営に関してはさまざま変化を加えたものの、ある程度順調に経営することができていたようです。

プライベートの変化

ではなぜ、この学習塾の譲渡を決断されたのか。それは、売り手様の奥様のご出産に伴って、自身が教室に関わることのできる時間や、精神的なキャパシティを取ることができなくなってしまう、ということでした。


教室長を採用しているので自走はできるものの、隔週で教室に顔を出したり、教室長とのMTGや、保護者への案内を担当していること、また、奥様もチラシのデザインを一部手伝っているなどしていたそうで、続けていくのではなく、別の方に譲渡をした方が良い、という決断だったようです。


今回は奥様のご出産が理由でしたが、このようにライフステージの変化によって、学習塾の譲渡を決める方はとても多いです。

例えば年齢面で引退を考えたり、親の介護がスタートしたり…。自身の予期せぬ出来事が起きた時に、生徒や講師の居場所を残す意味で、学習塾を譲渡するという選択肢を持っておくことは重要かもしれません。


可能な限り早く買い手を見つけたいというご要望もありましたが、併せて金額面に関しても正当な価格で取引を行いたいということで、バランスをとりながら候補先を探すことになりました。

募集開始〜基本合意

この学習塾の強み

早速、募集を開始したところ、金額に対して反響はとても大きく、候補者の方がさまざまな点でこの学習塾に魅力を感じているのだな、と思いました。

魅力と思われていた要素や、その理由を考えてみます。


1.生徒数の割に単価が高く、年商が高い

特別受験生割合が高いわけではないものの、生徒あたりの単価が高いことがこの学習塾の特徴です。

これは、月謝が高いわけではなく、季節講習やテスト対策などのアップセルが、高単価で実施できているからです。


前のオーナーからこの流れは引き継いだそうで、「この塾の季節講習はこれくらいの金額である」という認識を、通わせている親御様が理解していること。高単価な講習を獲得できるという土壌が備わっていることが、魅力の1つとなっていました。




2.教室長がいるので、自走できる


やはり、「自走できる」ということは、買い手がつきやすい特徴の1つとして挙げることができます。


自走していない案件の場合、個人であれば自身が教室に入るか、人材を採用しなければいけなくなり、法人でも、自社で適任がいなければ、新たに人材を採用する必要があります。

もちろんコストはかかりますが、すでに人材がいることが、採用コストや実際に働いてみてマッチするのかどうかというリスクを削減しているのです。


さらにこの案件は、自走するために教室長を採用していながらも黒字経営をすることができています。人件費もきちんと売り上げで補うことができている点が、この自走している状況をプラスにしていると言えるでしょう。


他にも、どのような学習塾が買収候補者にとって好まれるのか、別の記事でご紹介していますので、こちらをご参考ください。


【学習塾の事業譲渡】良い塾ってどんな塾?M&Aの視点から解説!

具体的な候補者

お話を進めてくださる候補者が何名かいらっしゃり、実際に売り手様含めての面談も複数回実施されました。


その中で具体的にお話を進めることになった候補者様は個人の方で、「アントレ」という起業支援プログラムを受講している方で、実はこの案件に興味をもっていただく前に、同じ八王子市内で別の学習塾案件でお話を進めており、もう決めようと思っていたところ、お話が頓挫してしまい、この案件が目についたところでお声がけをくださったとのことでした。


(参考:「アントレ」ホームページ)


アントレの担当者様含め、まずは売主様とのオンラインによるトップ面談。そこでさまざまなご質問をいただきながら、イメージをより膨らませていただき、さらにご検討をくださるとのことで現地面談。そこで地域の雰囲気や、実際の教室のイメージを明確なものにしていただきました。


担当者様とのご相談もされながら、スピーディーに塾の譲渡を受けることを決断していただき、基本合意を締結することになりました。先述の別案件が頓挫してしまったことも、早く決断をすることに対する後押しになったそうで、とても熱意をもって売り手様に対してアピールをしてくださいました。

DD〜事業譲渡契約

デューディリジェンス(DD)

今回のDDも、基本的には全てテキスト、およびオンラインで行われました。



買い手様が金融機関からの融資を前提として買収を進める予定だったため、提出する資料としても必要で、特に収支面に関わる情報は細かくチェックが入りました。この売り手様はきちんと収支状況をエクセルで細かく管理しており、法人で運営していたこともあって決算書もあったりと、提出できる資料がきちんと準備されていたことで、このやりとりはスムーズに行われました。


一部、それらの情報の整合性を確認するのに少し時間は要しましたが、このように売り手側が、買い手側に対して情報提供できる状況が整っていれば、このようなやりとりをスムーズに行うことができ、また、買い手側も安心してお話を進めてくださることができます。


買い手様は、勤めていた会社を退職し、この事業をスタートさせます。自身の収入がどの程度になるのか、可能な限り明確にしておきたいといいうニーズもあり、それらのイメージが具体的に裏付けされらことで、最終的な譲渡契約へと進むことになりました。

譲渡契約においての懸念

今回の案件は、いくつか譲渡において懸念事項がありました。


一つは、もし融資を受けることができない場合はどうするのか、もう一つは、教室長が続けてくれない場合はどうするのか、ということでした。


融資を受けられない場合、そもそも譲渡自体を諦めるのか、それとも別の方法で進めていくのかを検討しなくてはいけないのですが、結論、今回は譲渡自体はいずれにせよ進めることになりました。

その場合は支払い方法について追って協議をする必要がありますが、アドバイザーも含めて、受けることができる可能性が高いだろう、ということでこの点はそこまで大きく問題に発展することはありませんでした。


一方で、教室長が続けられない場合は、状況がとても難しくなってしまいます。というのは、買い手様は会社勤めをやめてこの事業に参画するという予定でしたが、教室長がいること、および売り手様もそのような境遇であったことを含めて、ご自身も再度別の企業に就職することにしていたのです。


そのため、教室運営者がいなくなってしまうと、運営をする人材がいなくなってしまい、人材獲得のための動きをとらなくてはいけないこと、もちろんそのためにコストがかかること、さらには教室長の離脱により、生徒の離脱の可能性も出てくることなど、この点は大きな課題となる可能性がありました。


売り手様の見立てでは、自身との関係性も含めて、譲渡が理由でやめることはないだろうということだったのですが、買い手様からすれば、この点はとてもシビアな問題です。結局は、万が一引き継ぎができない場合は、譲渡金の減額ということで話がまとまりました。


自走できる案件はそれ自体とても価値のあることですが、引き継ぎ時に自走ができなくなった場合のダメージが大きくなる可能性を秘めており、この点が自走可能案件のリスクとなりうるかもしれません。

譲渡契約締結後

先日、無事に譲渡契約の締結が完了し、現在は引き継ぎ期間に入っています。


実はこの記事を更新している間にも、打ち合わせがありました。教室長や生徒、講師へのアナウンスをどのように進めるのか。各種サービスの契約関係はどのように引き継いでいくのか。大枠から詰めていき、ある程度動きを確認して本日の打ち合わせは終了です。


これらの進め方は、個人間のやりとりでは間違った方向に進んでしまう可能性もあります。この点で、セカチャレのような仲介サービスをご利用いただくメリットも感じていただけるかもしれません。

終わりに

この4月、無事に売り手様のお子様も誕生されたということで、お話もまとまり、ご夫婦で子育てに集中していただくことができるようになったこと、とても嬉しく思います。ライフステージの変化に伴う売り手様の希望に、少しでもお役に立てたことが光栄です。


セカチャレでは「学習塾やスクールの事業を買収したい」と考えている候補者の方とのネットワークがあります。


「うちの塾は売却ができるのかな?」

「興味を持ってくれる候補者はいるのかな?」

と少しでも気になっている学習塾の経営者様、是非ともお気軽にお声がけください。


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