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【学習塾閉校の参考書】塾を閉校するときの手続きと費用|生徒・講師・教室の対応

2026年10月8日
塾開業・廃業

公開日:2023/4/3(更新日:2026/10/12)


こんにちは、セカチャレを運営する株式会社インフィニティライフの高木です。


塾を閉校するには、「生徒・保護者への告知と月謝の精算」「講師への説明と雇用の手続き」「教室の解約と原状回復」「税務署などへの届出」の4つが必要です。教室の賃貸借契約の解約予告期間によっては、閉校を決めてからすべて終えるまでに半年近くかかることもあります。そして、閉校を決める前に「塾を引き継いでもらう」という選択肢があることも、あわせて知っておいていただきたいと思います。


「体力的に、もう教壇に立ち続けるのが難しくなってきた」
「講師が辞めてしまい、今の体制では続けられない」


このようなお悩みから閉校を考え始めたオーナーさまに向けて、この記事では、閉校の手続きと費用を順にご説明します。


1. 塾を閉校するときの流れ


閉校の準備は、おおむね次の順番で進めます。


1. 教室の賃貸借契約を確認する(解約予告期間、原状回復の範囲)
2. 閉校の時期を決める(受験や講習の区切りを考慮)
3. 講師・スタッフに伝える
4. 生徒・保護者に伝え、月謝の精算や転塾先のご案内をする
5. 教室を退去し、原状回復を行う
6. 税務署などへ届出をする


最初に賃貸借契約を確認するのは、解約予告期間が閉校日を決める前提になるためです。「6ヶ月前までに通知」といった契約もあり、確認が遅れると、授業をしていない期間の家賃まで支払うことになりかねません。


2. 生徒・保護者への対応


告知のタイミング


生徒・保護者さまへの告知は、ご家庭が転塾先を探す時間を考え、できるだけ余裕を持って行うのが望ましいでしょう。受験生がいる場合は、入試が終わるまでの指導をどうするかも含めて、丁寧にご説明する必要があります。


閉校の時期は、年度末(3月)や夏期講習後など、学習の区切りに合わせると、生徒への影響を抑えられます。


月謝・講習費の精算


前払いでいただいている月謝や講習費のうち、閉校によって提供できなくなる授業の分は、返金が必要になるのが一般的です。


なお、学習塾のうち、契約期間が2ヶ月を超え、金額が5万円を超える契約は、特定商取引法の「特定継続的役務提供」にあたります。生徒側から中途解約された場合に塾が請求できる金額には上限があり、授業開始後であれば、提供済みの授業の対価に「2万円」か「1ヶ月分の授業料相当額」のいずれか低い額を加えた額までとされています(出典:消費者庁「特定商取引法ガイド」)。


閉校は塾側の事情による終了ですので、生徒・保護者さまに不利益が生じないよう、精算の方法を事前に整理しておきましょう。


転塾先のご案内


生徒が学習を途切れさせずに済むよう、近隣の塾の情報をお伝えしたり、これまでの学習状況をまとめてお渡ししたりすると、保護者さまの不安を和らげることができます。


3. 講師・スタッフへの対応


講師やスタッフを雇用している場合、閉校にともなって雇用契約を終了することになります。労働基準法では、労働者を解雇する場合、少なくとも30日前に予告するか、予告をしない場合は平均賃金の30日分以上の解雇予告手当を支払う必要があるとされています(出典:厚生労働省 茨城労働局「解雇の手続き」)。


また、雇用保険や社会保険に加入している場合は、資格喪失や事業所廃止の手続きも必要です。大学生講師が多い塾でも、ルールは同じですので注意しましょう。


4. 教室の解約と原状回復


賃貸借契約を解約する際は、多くの場合、教室を借りたときの状態に戻す「原状回復」が求められます。間仕切りや照明、看板、カッティングシートの撤去などが対象となり、費用は内装や契約内容によって大きく異なります。


閉校を考え始めた段階で、契約書で原状回復の範囲を確認し、貸主さまや管理会社に見積もりを依頼しておくと安心です。机や椅子、ホワイトボードなどの備品の処分費用も、あわせて見込んでおきましょう。


参考記事:まさかの理由で頓挫する?学習塾M&Aの盲点であり重要な「賃貸借契約」を引き継ぐ実務ポイント


5. 税務署などへの届出


個人塾の場合


個人事業として塾を運営している場合は、廃業した日から1ヶ月以内に、所轄の税務署へ「個人事業の開業・廃業等届出書」を提出します(出典:国税庁)。あわせて、次のような届出が必要になる場合があります。


・青色申告の取りやめ届出書(青色申告をしている場合)
・給与支払事務所等の廃止届出書(講師に給与を支払っている場合)
・消費税の事業廃止届出書(課税事業者の場合)
・個人事業税の事業廃止の届出(都道府県税事務所。期限は自治体によって異なります)


廃業した年の分の確定申告も必要です。


法人の場合


法人で塾を運営している場合は、会社を解散し、清算する手続きが必要です。解散の登記は解散日から2週間以内に行い、債権者に向けた官報公告は2ヶ月以上の期間を設ける必要があります。登録免許税は、解散登記が3万円、清算人の登記が9,000円、清算結了の登記が2,000円です(出典:マネーフォワード クラウド「会社の解散・清算の流れ」)。


手続きが多いため、司法書士や税理士の先生に依頼されるケースも少なくありません。


6. 閉校にかかる費用の目安


閉校にかかる主な費用は、次のとおりです。


・未消化分の月謝・講習費の返金
・解約予告期間中の家賃
・原状回復と備品の処分費用
・解雇予告手当(予告期間が取れない場合)
・法人の場合は、解散・清算の登記や官報公告の費用、専門家への報酬


塾の規模や契約によって金額は大きく変わりますが、「閉校するだけでも、まとまったお金がかかる」ことは、あらかじめ知っておいていただきたいポイントです。


▶ 無料で相談する
閉校するか、引き継ぐか、まだ迷っている段階でもご相談いただけます。


7. 閉校を決める前に:引き継ぎという選択肢


閉校と引き継ぎを比べる


閉校の手続きと費用を見てきましたが、塾を第三者に引き継いでもらう場合は、次のように変わります。


・生徒:閉校の場合は転塾先を探す必要がある。引き継ぎの場合は、同じ教室に通い続けられる
・講師:閉校の場合は雇用が終わる。引き継ぎの場合は、新しいオーナーのもとで働き続けられる
・教室:閉校の場合は原状回復が必要。引き継ぎの場合は、教室ごと引き継ぐため原則不要
・家賃:閉校の場合は解約予告期間の家賃が発生。引き継ぎの場合は、契約を引き継ぐため発生しにくい
・手元に残るお金:閉校の場合は費用の支払いが中心。引き継ぎの場合は、譲渡代金を受け取れることがある


小さな塾でも、引き継ぎ先が見つかることがある


「こんな小さな塾が売れるはずがない」と思われるオーナーさまは少なくありません。しかし、1教室の塾や、赤字の塾でも、引き継ぎ先が見つかることがあります。譲渡金0円で成約した例もあり、その場合でも、原状回復や解約予告期間の家賃といった閉校の費用を負担せずに済みます。


【事例:譲渡金0円で引き継いだ1教室の個人塾(地域・生徒数・引き継ぎまでの期間・オーナーさまの声)】


参考記事:譲渡金0円でも塾は引き継げる?小規模塾の「0円譲渡」が選ばれる理由と注意点


「生徒を売る」のではなく「生徒を守る」選択


「生徒を売るようで、裏切りのように感じる」というお声もよくお聞きします。けれども、閉校すれば生徒は通い慣れた教室を失い、新しい塾を探さなければなりません。引き継ぎは、生徒が同じ教室で、同じ講師から授業を受け続けられるようにするための選択です。


これまで大切に育ててきた教室を、次の担い手につなぐこと。それは、生徒と保護者さまへの責任を最後まで果たす方法の一つではないでしょうか。


参考記事:【学習塾の売却】「教室を閉める」と決める前に聞いてほしい話


自分で探すか、専門家に頼むか


引き継ぎ先を探す方法には、オーナーさまご自身がマッチングサイトに掲載して買い手を探す方法と、私たちのような専門家に依頼する方法があります。


ご自身で掲載する場合は、費用を抑えやすい一方で、買い手候補とのやりとりや条件の交渉、契約、引き継ぎの段取りまでをご自身で進めることになります。専門家に依頼する場合は、買い手探しから交渉、引き継ぎまでを伴走してもらえる点が大きな違いです。塾の運営を続けながら進めるご負担や、ご自身の状況にあわせて選ばれるとよいでしょう。


なお、セカチャレでは、売り手さまの手数料は譲渡額300万円まで無料です。


8. よくある質問


Q. 閉校は、いつ頃から準備を始めればよいですか?
A. 賃貸借契約の解約予告期間を確認したうえで、少なくとも半年前から準備を始めると安心です。契約によってはそれ以上かかることもあります。


Q. 閉校するとき、月謝は返金しなければいけませんか?
A. 前払いの月謝や講習費のうち、提供できなくなる授業の分は、返金が必要になるのが一般的です。精算方法は事前に整理しておきましょう。


Q. 生徒が少ない塾でも、引き継ぎ先は見つかりますか?
A. 生徒数が少ない塾や赤字の塾でも、立地や教室の設備、地域での評判などが評価され、引き継ぎ先が見つかることがあります。


Q. 閉校と引き継ぎ、どちらにするか迷っていても相談できますか?
A. はい。閉校を決める前の段階でも、ご相談いただけます。相談したからといって、必ず譲渡しなければならないわけではありません。


9. まとめ



・塾の閉校には、生徒・保護者への対応、講師の雇用の手続き、教室の解約と原状回復、税務署などへの届出が必要
・解約予告期間によっては、閉校まで半年近くかかることもある
・閉校には、返金や家賃、原状回復などのまとまった費用がかかる
・閉校の前に、引き継ぎという選択肢と比べることで、生徒と講師の居場所を残せる可能性がある


閉校は、オーナーさまにとって大きな決断です。後悔のない選択ができるよう、まずは選択肢を並べて比べてみてください。


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ご相談は無料です。塾名を伏せたままでもお話を伺えます。


監修:高木 直人


出典
・消費者庁「特定商取引法ガイド 特定継続的役務提供」
・厚生労働省 茨城労働局「解雇の手続き」
・国税庁「個人事業の開業届出・廃業届出等手続」
・マネーフォワード クラウド「会社の解散・清算の流れ」



この記事の著者



取締役 M&Aアドバイザー 高木直人


埼玉大学教育学部卒業後、大手教育系企業、私立中高一貫校講師を経て、株式会社インフィニティライフに参画。学習塾事業、学習塾M&A事業の責任者として、100件以上の学習塾案件を支援、40件程度を成約に導いた。2023年に株式会社バトンズが選ぶベストアドバイザー賞にノミネート。


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